マラジョ島

マラジョ島は、ブラジルのアマゾン川河口に位置する広大な島で、その面積は約4万平方キロメートルに及びます。これは、日本の九州を上回るほどの大きさです。この島は、北をアマゾン川、南をパラ川に挟まれた巨大な中州であり、四方を淡水に囲まれた島としては世界最大です。島の北東側は大西洋に面していますが、アマゾン川からの莫大な流量により、沖合まで淡水化されているという特徴があります。

島の全域が低地で、年間を通して雨が多いため、熱帯雨林と湿地が広がっています。この独特な環境が、多種多様な生物を育んでおり、マラジョ島を含むマラジョ諸島と周辺のマングローブ群は、生物多様性の宝庫として知られています。その重要性から、2018年にはラムサール条約登録地にも指定されました。

マラジョ島の主な産業としては、天然ゴムの採取と水牛の飼育が挙げられます。島内には大きな町はありませんが、パラ川の対岸に位置する大都市ベレンが交通の要となっており、国内外へのアクセスは比較的容易です。この豊かな自然を求めて、多くの観光客が訪れる観光地としても人気を集めています。

歴史を振り返ると、マラジョ島には古くからインディオの人々が暮らしていました。特に、400年頃から1300年頃にかけて繁栄したマラジョ文化は、その特異な文化様式で知られています。マラジョ文化の遺物の中でも特に特徴的なのが、彩色土器です。これらの土器は、表面が渦巻き形を伴う幾何学文様で覆われており、当時の人々の高度な技術と芸術性を物語っています。また、人々は墳墓を作り、大きな甕に死者を納めて埋葬するという独特の葬送儀礼を行っていました。

ヨーロッパ人によるマラジョ島の発見は、アマゾン川の発見と同時期の1500年、スペイン人の航海者ビセンテ・ヤニェス・ピンソンによってなされました。その後、この島はポルトガルの勢力下に置かれ、その領土となりました。1616年には、ポルトガル人が対岸にベレンを築き、次第に島の開発にも着手していきました。この歴史的な背景から、マラジョ島には、先住民文化とヨーロッパ文化が融合した独特の文化が息づいています。

関連情報として、バナナル島もアマゾン川流域に位置する重要な島の一つです。さらに詳しい情報については、外部サイトであるコトバンクの「マラジョ島」や「マラジョ[島]」の項目も参照すると良いでしょう。

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