マリオクラッシュ

マリオクラッシュ：バーチャルボーイで展開される異色のマリオ

『マリオクラッシュ』は、1995年に任天堂から発売されたバーチャルボーイ専用のアクションゲームです。マリオシリーズでありながら、従来の作品とは一線を画す独特なゲームシステムが特徴です。

ゲームの概要

このゲームでは、マリオは「クラッシュハウス」と呼ばれる高い塔にいる敵を、ノコノコの甲羅を使って倒していきます。一般的なマリオシリーズとは異なり、Bボタンでジャンプする操作方法や、敵の倒し方など、多くの点で違いが見られます。また、マリオシリーズの中でも珍しく、宮本茂氏が直接開発に関わっていない作品です。当初は『マリオブラザーズ VB』や『バーチャルボーイ マリオランド』といった別のタイトルが企画されていましたが、それらはお蔵入りとなり、一部の要素が本作に引き継がれています。ゲームボーイアドバンス用ソフト『メイド イン ワリオ』には、本作をモチーフとしたプチゲームが登場するなど、後世にも影響を与えています。

ゲームシステム

ゲームの目的は、マリオを操作して制限時間内にステージ上の敵をすべて倒すことです。『マリオブラザーズ』と似た点もありますが、敵の倒し方が大きく異なります。このゲームでは、敵を踏んでも倒すことができず、逆にダメージを受けてしまいます。ノコノコの甲羅を敵にぶつけることで倒していくという独特なシステムが特徴です。

ステージは手前と奥に分かれており、土管を使って行き来します。土管の上は敵が来ない安全地帯です。ステージが進むにつれて、甲羅を横から当てても倒せない敵が多くなり、反対側の足場から甲羅を投げて気絶させ、その隙に倒す必要が出てきます。気絶中の敵は体当たりで蹴飛ばすことも可能です。また、跳ね返ってきた甲羅をキャッチするたびにパワーが蓄積され、甲羅をより遠くまで飛ばせるようになります。このパワーアップを利用して、縦軸が揃った敵を同時に倒すことも可能です。

敵をまとめて倒すとテクニカルボーナスが加算され、最大7倍までボーナスを得ることができます。また、敵を倒すと減っていくカウントが0になるとパワーアップキノコが出現し、キノコを取ると一定時間、甲羅が貫通するようになり、全ての敵を一撃で倒せるようになります。パワーアップ中のテクニカルボーナスは2倍からスタートします。全ての敵を倒すとステージクリアとなり、次のステージへ進みます。ステージが進むにつれて難易度が上昇し、最終的には非常に高い難易度となります。

登場する敵キャラクター

ノコノコ：土管から2匹出現します。踏むと甲羅になり、投げつけることで敵を倒せるようになります。甲羅のまま放置すると怒って足が速くなります。飛んできた甲羅にマリオが当たってもミスにはなりません。
トゲメット：甲羅を横からぶつけるだけで倒せる、最弱の敵です。
ツノゾー：黒いトゲメットで、横からの攻撃は無効です。反対側の足場から甲羅を投げつけ、気絶させてから倒す必要があります。
ツノパタクリ：頭にトゲのあるパタクリです。跳ねるので甲羅を当てにくいですが、移動速度は遅めです。
テレサ：透明になっている間は攻撃が効きません。すり抜けることができます。宙に浮いているため、距離感が掴みにくい敵です。
ホーダイ：移動速度が速く、マリオに向かって弾を撃ってきます。甲羅を投げることで砲弾を相殺できます。
クワトロ：カニのような敵で、甲羅を受け付けないハサミを持っています。横から甲羅をぶつけると怒り出し、怒っている間に反対側から甲羅をぶつけると気絶します。
サンボ：トゲが2本生えた姿で登場します。下のトゲは甲羅で倒せますが、本体は気絶させる必要があります。トゲは時間が経つと再生します。
ヘビーマム：卵を吐き出して仲間を増やす蛇です。卵はぶつかるだけで倒せます。
ファイヤーボール：マリオのいる足場に出現し、蛇行しながら襲い掛かります。
* つらら：氷のステージに登場し、天井から落ちてきます。ジャンプで消すことはできません。

評価

ファミコン通信のクロスレビューでは、4人のレビュアーからそれぞれ6点の評価を受け、合計24点となっています。

その他

100000点ごとにマリオキャラクターの描かれたメダルを得ることができます。また、ゲームの最高得点である999999点に達するとエンディングを迎えますが、マリオの残機がなくなるまでゲームを続けることができます。

『マリオクラッシュ』は、シリーズの中でも異質な存在でありながら、独自のゲーム性とやりこみ要素で多くのファンを魅了した作品です。

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