マリオ・クオモ

マリオ・マシュー・クオモの生涯と業績

マリオ・マシュー・クオモ（1932年6月15日 - 2015年1月1日）は、イタリア系カトリックのアメリカ政治家、弁護士、そして野球選手として知られています。彼は第52代ニューヨーク州知事を務め、1983年から1995年までの長期間にわたり州を牽引しました。

初期の人生と教育

彼はニューヨーク州のクイーンズ区で生まれ、セント・ジョーンズ大学を卒業後、同校で法学位を取得しました。1950年代にはピッツバーグ・パイレーツからスカウトを受け、マイナー・リーグでのキャリアを追求しました。しかし、野球選手としての道は頭部へのデッドボールによる負傷で断たれました。この経験は、彼の後の公的活動に影響を及ぼしたと言えます。

政治の道へ

政治の世界に足を踏み入れたクオモは、1970年代にニューヨーク州クイーンズ地区で地域住民の生活環境を守るための公営住宅開発反対運動に取り組みました。この活動を通じて彼は名を馳せ、1974年のニューヨーク州副知事選に立候補するものの、結果は振るわず、その後1975年に州務長官に指名されることになります。

1977年にはニューヨーク市長選挙に出馬しますが、民主党候補指名選挙でエド・コッチに敗北しました。しかし、彼はニューヨーク自由党からも指名されましたが、本選挙でも再び涙を飲む結果となりました。

最終的には1982年に州知事選に出馬し、コッチを破った後、共和党候補ルイス・レーアマンを下して1983年に州知事に就任しました。

知事としての業績

クオモ知事の在任中、大きなターニングポイントとなったのが1984年の大統領選挙におけるノートルダム大学での演説です。この演説では、彼は中絶政策を支持する立場を明確に示しました。民主党の副大統領候補、ジェラルディン・フェラーロの支援を目的として、宗教的背景を考慮しながらも進歩的な政策の重要性を訴えました。

彼はその後、3期連続で知事を務め、1995年までその職にありましたが、1994年には再選を目指して立候補しました。この選挙では、共和党からの強烈なネガティブキャンペーンに晒され、最終的にジョージ・パタキに敗北を喫しました。この選挙戦は、彼のキャリアにおいても忘れがたい出来事となりました。

家族と影響

クオモの家族は彼の政治的背景にも大きな影響を与えています。長男アンドリュー・クオモは、ニューヨーク州知事やアメリカ合衆国住宅都市開発長官を務めました。また、彼もまた政治家としてのキャリアを持ち、2003年にはロバート・F・ケネディの娘と結婚した後、交流を続けましたが、2003年に別居し、その後離婚しています。加えて、下の息子クリス・クオモは放送ジャーナリストとしても知られています。

最期と遺産

クオモは2015年1月1日に82歳で逝去しました。彼の政治キャリアや公私における影響力、そして著作も多数あり、アメリカの政治において彼が残した影響は今なお色あせることはありません。彼の人生は、政治、教育、そして家族という多くの側面から成り立ったものであり、その活動は後の世代にも引き継がれていくことでしょう。

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