マリノ・ミカエリ＝トゥウ

ニュージーランド・ウェリントン出身のラグビー選手、マリノ・ミカエリ＝トゥウ（Marino Mikaele-Tu'u）は、1997年11月6日にこの世に生を受けました。現在、彼は日本のトップリーグであるジャパンラグビーリーグワンに加盟する三菱重工相模原ダイナボアーズの一員としてプレーしています。身長192センチ、体重113キロという堂々たる体躯を誇る彼は、フランカー（FL）およびナンバーエイト（No.8）といったバックローのポジションで、その持ち前のパワーと運動量を活かしたプレーを展開します。

ラグビーに捧げる家族

マリノ・ミカエリ＝トゥウ選手は、ラグビーへの深い愛情を持つ家庭で育ちました。彼には双子の兄弟であるアントニオと、妹のリアナがいますが、驚くべきことに、彼ら兄弟姉妹全員がラグビー選手というキャリアを選択しています。このような環境は、彼が幼い頃からラグビーに親しみ、競技者としての道を真剣に追求する上で、計り知れない影響を与えたと考えられます。

ニュージーランドでの歩み

ミカエリ＝トゥウ選手のキャリアは、ヘイスティングスボーイズ高校での学生時代に本格化しました。高校卒業後、彼はニュージーランド国内の州代表選手権であるNPC（ナショナル・プロヴィンシャル・チャンピオンシップ）に参加するホークスベイに所属し、プロとしての第一歩を踏み出しました。その後、彼はスーパーラグビーの強豪チーム、ハイランダーズへとステップアップしました。スーパーラグビーは南半球のトップチームが集まるリーグであり、彼はそこで世界クラスの選手たちと鎬を削り、自身のスキルと戦術眼を磨き上げました。ハイランダーズでの数シーズンは、彼をより完成されたバックローへと成長させる上で重要な期間となりました。

国際舞台での経験

若い頃からニュージーランド国内で将来を嘱望されていたミカエリ＝トゥウ選手は、その才能を示す機会を得ました。まずはU20ニュージーランド代表に選出され、世界の同世代トップレベルの大会で経験を積みました。さらに、ニュージーランド代表（オールブラックス）の予備チーム的な位置づけである「All Blacks XV」にも選出されています。これは、彼がオールブラックス入りを視野に入れるレベルのポテンシャルを持っていることの証明であり、ニュージーランドラグビー協会からの高い評価を受けていたことを物語っています。

日本での挑戦と初舞台

2023年、マリノ・ミカエリ＝トゥウ選手は新たなキャリアの章を日本で開くことを決断しました。同年6月、ジャパンラグビーリーグワン所属の三菱重工相模原ダイナボアーズへの加入が正式に発表されました。日本のラグビーファンにとって、スーパーラグビーで活躍した選手の加入は大きなニュースとなり、彼の日本でのプレーに対する期待が高まりました。そして、彼は加入から数ヶ月後、日本の公式戦のピッチに立ちました。2023年12月9日、JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2023-24シーズンの開幕節として行われた花園近鉄ライナーズ戦に途中出場し、これが彼の記念すべき日本での公式戦デビューとなりました。この試合以来、彼はダイナボアーズの重要な戦力として、チームの躍進に貢献しています。

パワフルなプレースタイル

ミカエリ＝トゥウ選手のプレースタイルの核は、その圧倒的なフィジカル能力にあります。フランカー、ナンバーエイトのいずれのポジションにおいても、彼はボールを持てば相手ディフェンスを弾き飛ばすような力強いランニングでゲインラインを突破します。また、ディフェンスにおいては、低く突き刺さるようなタックルで相手の攻撃を寸断し、チームのピンチを救います。バックローとして広範囲をカバーする運動量と、攻撃参加における正確なパスやオフロードパスといったボールスキルも兼ね備えており、攻守両面でチームに貢献できる選手です。日本のラグビーに適応し、そのポテンシャルを最大限に引き出すことで、彼はダイナボアーズにとって欠かせない存在となっています。今後のリーグワンでのさらなる活躍が期待される、注目の選手の一人と言えるでしょう。

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