マルア

マルア（Maroua）

マルアは、カメルーンの最北部に位置する極北州の州都です。フェルンゴ川とカリアオ川の低地沿いに広がり、マンダラ山地の麓に位置しています。カメルーン最北の都市として、周辺国であるチャドやナイジェリアへの交通の要衝となっています。

概要

2012年の調査によると、マルアの人口は約23万9026人です。この都市は綿花産業の中心地であり、周辺地域で栽培された綿花が集められ、加工・出荷されています。また、農業学校や民族博物館などの教育・文化施設も充実しています。

マルアの近郊にはサラク空港があり、国内外へのアクセスを支えています。市の北にはワザ国立公園が広がり、豊かな自然に恵まれています。一方、市の南には軍事基地が所在し、地域の安全保障において重要な役割を果たしています。

町の景観を特徴づけているのは、マルア山です。宗教はイスラム教が優勢であり、特にスーフィズムが盛んです。また、マルア大学は、この地域における高等教育の中核を担っています。

歴史

マルアは、歴史的にも重要な場所です。1975年6月1日には、カメルーンとナイジェリアの海上境界線を定めた「マルア宣言」がここで署名されました。しかし、近年では、マラリアの流行や、ボコ・ハラムによる襲撃事件など、困難な状況にも直面しています。

2013年には、マラリアの流行により、1万人以上の症例が報告されました。2014年4月には、マルア教区のチェレ村で、2人のイタリア人司祭とカナダ人修道女が誘拐される事件が発生しましたが、その後解放されました。同年6月には、マルア中央市場が襲撃され、多くの人々が逮捕される事態となりました。2014年8月以降は、ボコ・ハラムへの対策として、2000人以上のカメルーン軍兵士が市内に配置されています。

気候

マルアの気候は、サヘルの特徴である高温で乾燥した気候です。ケッペンの気候区分では、ステップ気候（BSh）とサバナ気候（Aw）の境界に位置しています。

出身の著名人

* ヤヤ・バナナ - サッカー選手

マルアは、多様な文化と自然が共存する都市であり、カメルーン北部における重要な拠点としての役割を担っています。

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