極北州

カメルーンの最北端に位置する極北州は、その地理的特徴と社会情勢において特筆すべき点が多い地域です。面積は34,246平方キロメートル、1987年時点の人口は1,855,695人と、カメルーン国内で最大の人口を擁していました。この州は、細長い形状でチャド湖まで伸びており、まるで回廊のような地形をしています。州都は、北部最大の都市であるマルアです。

地理と行政区画

極北州は、以下の下位行政区画に分かれています。

Diamaré - 中心都市：マルア
Logone-et-Chari - 中心都市：クッセリ
Mayo-Danay - 中心都市：ヤーグア
Mayo-Kani - 中心都市：カエレ
Mayo-Sava - 中心都市：モラ
Mayo-Tsanaga - 中心都市：モコロ

これらの地域はそれぞれ独自の文化や産業を持ち、極北州全体の多様性を形成しています。

治安状況

2010年代以降、極北州は治安面で大きな課題に直面しています。隣国ナイジェリアで活動する反政府武装組織ボコ・ハラムが国境を越えて攻撃を仕掛けるようになり、州内でもテロや誘拐事件が発生しています。これにより、住民の生活は脅かされ、経済活動にも深刻な影響が出ています。

また、ナイジェリア国内での戦闘から逃れるため、多くの難民が極北州に流入しています。2019年1月までに3万人を超えるナイジェリア住民が避難しており、難民キャンプの運営や食糧・水などの支援物資の供給が大きな負担となっています。

隣接する州と国

極北州は、以下の州や国と隣接しています。

ラク州（チャド）
ハジェル＝ラミ州（チャド）
ンジャメナ（チャドの首都）
シャリ＝バギルミ州（チャド）
東マヨ・ケッビ州（チャド）
西マヨ・ケッビ州（チャド）
北部州 (カメルーン)
アダマワ州 (ナイジェリア)
* ボルノ州 (ナイジェリア)

まとめ

極北州は、カメルーンにおける戦略的に重要な地域であり、その地理的な位置から、周辺国との関係や国境を越えた問題の影響を受けやすい地域です。ボコ・ハラムの脅威や難民問題など、多くの課題を抱えていますが、国際社会やカメルーン政府の支援を受けながら、安定と発展を目指しています。

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