マルカツデパート

マルカツデパート：旭川の記憶と共に消えた商業施設

マルカツデパートは、かつて北海道旭川市の平和通買物公園に面して存在した、複数のテナントからなる商業施設でした。かつては百貨店として、丸井今井旭川店と並び旭川の二大百貨店として知られていました。

歴史

1918年（大正7年）、松村勝次郎氏が旭川市で松村呉服店を創業したのが始まりです。1924年（大正13年）には現在地に移転。1936年（昭和11年）に丸勝松村百貨店として百貨店化しました。1965年（昭和40年）には、旭川で2番手の百貨店に成長しました。

その後、1971年（昭和46年）に東栄の傘下に入り、マルカツデパートと改称。1991年（平成3年）には売上高71億9400万円を記録しました。

しかし、1990年代後半には経営環境が悪化。経営母体の東栄が業績不振に陥り、北海道拓殖銀行の破綻も重なって、2001年（平成13年）に百貨店としての営業を終え、全館テナントビルとして再出発しました。

2003年（平成15年）には、東栄が民事再生法を申請し、ローンスタージャパンに売却されました。その後も経営権の移行が繰り返されました。

2010年代に入ると、主要テナントの撤退などで集客力が低下。旭川駅再開発事業に伴い、一部テナントが移転するなど変化が見られました。

閉店、そしてその後

建物の老朽化により、当初は2025年までに閉店する予定でしたが、2022年に入り、水漏れによるテナントへの損害が発生したため、閉店時期を前倒しする方針が発表されました。同年10月末での完全閉店が告知されましたが、北海道電力への電気料金未払いが発覚し、電力供給が停止。2022年10月5日をもって、最後まで残っていたテナントが一斉に退去し、事実上閉店となりました。

閉店直前の2022年9月には、建物の所有者である遠藤管財の社長が詐欺容疑で逮捕されるという不祥事も発覚しました。

2024年に入り、土地・建物の根抵当権を持つあすか信用組合が旭川地方裁判所に競売を申し立て、同年7月に競売開始が決定。2024年度中に競売が実施される見通しです。

周辺施設との関係

マルカツデパートは、かつて西武百貨店旭川店（旧旭川店）、Feeeal旭川（旧丸井今井旭川店）、旧エクス旭川（旧旭川マルサ、旧長崎屋旭川店）といった周辺施設と競合・連携しながら、旭川の商業を支えてきました。これらの施設も時代の流れと共に姿を変えましたが、マルカツデパートの閉店は、旭川の街の記憶の一部が失われたことを意味します。

マルカツデパートの跡地が今後どのように活用されるのか、注目されます。

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