ローンスター

ローン・スター・ファンドについて

ローン・スター・ファンド（Lone Star Funds）は、1995年にアメリカ・テキサス州ダラスにてJohn Graykenによって設立された投資ファンドです。本ファンドは主に北米、公的年金基金、国際機関、政府機関、財団、大学など多岐にわたる投資家を抱え、これまでに230億ドル（約2兆5千億円）を超える資金を運用しています。

投資戦略と活動

ローン・スター・ファンドは企業再生や価値向上を目指した投資に従事しており、その特徴として市場に流動性が不足する際にリスクを積極的に取る姿勢が挙げられます。ファンドは不動産や多様な金融商品への投資を国際的に展開しており、投資対象を長期にわたって保有し、持続的な価値向上を狙っています。また、ダラスの本拠地の他にも、ロンドン、東京、ソウル、台北、ダブリン、ブリュッセル、ルクセンブルク、フランクフルトなどにオフィスを有しています。

日本での展開

1997年に日本市場に進出以来、ローン・スター・ファンドは多くの企業の買収を行い知名度を高めてきました。

主な投資実績

日本における代表的な投資先は以下の通りです。

• - 東京スター銀行: 1999年に経営破綻した東京相和銀行を支援し、2001年に新たに東京スター銀行として営業を開始。その後も複数の金融機関を取得し、2005年には東証一部に上場しますが、2008年に上場廃止となります。2013年に中国信託商業銀行に買収されました。
• - ファーストクレジット: 旧長銀系のノンバンクで、2002年に会社更生法の適用を受けた際にスポンサーとなり、2005年に全株式を住友信託銀行へ売却。
• - アエル: 中堅消費者金融会社で、2003年に会社更生を申請した際、同社及びナイスのスポンサーとなりました。
• - 東栄: 旭川市を本社とする繊維卸業者で、2003年に民事再生法を申請した後、同社の再建に成功。

ゴルフ・ホテル事業

• - ソラーレホテルズアンドリゾーツ: チサンホテルを継承し、ホテル事業を拡大。近年では新規ホテルの設立も行っています。
• - PGMホールディングス: 全国に100以上のゴルフ場を保有している企業です。

日本法人と課税問題

ローン・スター・ファンドは、日本国内で活動するための法人「株式会社ローン・スター・ジャパン・アクイジションズ」を設立しています。日本国税当局との課税を巡る対立もあり、特に東京相和銀行の破綻処理に関連する課税問題が注目されました。

海外での投資

アメリカ

アメリカでは、メリルリンチより約300億ドル相当の資産を取得するなど、大きな投資も行っています。

ヨーロッパ

サブプライムローン危機時には、経営困難に陥ったドイツ産業銀行を譲り受けることで、リスクを取る戦略を採用しました。

韓国の投資問題

2003年に破綻寸前の韓国外換銀行（KEB）を買収し、黒字化に成功。しかしその後、不当な低価格での取得を巡る問題が発生し、韓国政府による捜査を受けました。この際、ローン・スターや西欧投資家とのトラブルが明るみに出て、韓国の政治的リスクに関する認識が広まりました。

結論

ローン・スター・ファンドは、国内外で多くの企業の再生や価値向上に寄与したファンドであるに留まらず、その活動を通じて投資のリスクとリターンについての重要な教訓を示しています。

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