マルチジャンル・ホラーRPG インセイン

インセイン：多様な恐怖を描くテーブルトークRPG

『マルチジャンル・ホラーRPG インセイン』は、河嶋陶一朗氏と冒険企画局によって開発された、テーブルトークRPG（TRPG）シリーズです。2013年に新紀元社より発売され、その独特のシステムと世界観で多くのファンを獲得しています。本ゲームは、同氏考案の汎用TRPGシステム「サイコロ・フィクション」をベースに構築されており、シリーズ第7弾としてリリースされました。同時発売された第8弾『キルデスビジネス』と共に、TRPG界に新たな風を吹き込みました。

ホラーの多様性

「インセイン」最大の特徴は、そのマルチジャンル性にあります。ゴシックホラー、コズミックホラー、サイコホラー、サバイバルホラーなど、幅広いホラージャンルを柔軟に表現できるシステムが構築されています。プレイヤーは、それぞれに悲しい過去や秘密を抱えた「逢魔人」となり、不可解な怪事件に巻き込まれていきます。シナリオは、プレイヤーの選択や行動によって大きく変化し、予測不能な展開へと進んでいきます。

独自のゲームシステム

「インセイン」では、プレイヤーキャラクター（PC）はそれぞれ「秘密」を持っています。この秘密は、ゲーム展開の鍵となるだけでなく、プレイヤー同士の対立や協力関係に影響を与えます。秘密の探り合い、そして時にはプレイヤー間の直接対決（PvP）も発生しうる、緊張感あふれるゲーム展開が特徴です。

ゲームの進行は、導入フェイズ、メインフェイズ、クライマックスフェイズの3つのフェイズに大きく分かれています。メインフェイズでは、「ドラマシーン」と「戦闘シーン」が交互に繰り返され、プレイヤーたちは調査や交渉、そして戦闘を通して事件の真相に迫っていきます。

戦闘シーンでは、独自の「プロット値」システムが用いられます。プロット値が高いプレイヤーほど行動の優先権を得る反面、攻撃を回避するための目標値も高くなります。また、プロット値が同じプレイヤー同士は「バッティング」となり、お互いにダメージを受けます。

さらに、「恐怖判定」や「狂気カード」といった、ホラージャンルならではの要素も取り入れられています。「恐怖判定」に失敗すると、「狂気カード」を受け取ります。このカードは、特定の条件下で発動し、プレイヤーの精神状態に悪影響を及ぼす可能性があります。狂気カードが4枚になるとゲームオーバーとなるため、プレイヤーは常に恐怖との戦いを強いられます。

多彩な世界設定

「インセイン」は、特定の時代や場所を舞台とするのではなく、シナリオによって自由に世界観を設定できる柔軟性を持っています。ルールブックには、「本当は怖い現代日本」「狂騒の20年代」「暗黒のヴィクトリア」といった、様々な時代と場所を舞台にしたワールドセッティングが用意されています。また、『インセイン2 デッドループ』では、「繰り返される惨劇」という、ループもののキャンペーンに適したワールドセッティングも追加されました。さらに、SCP財団をモチーフにしたワールドセッティングも存在します。

逢魔人：プレイヤーキャラクター

プレイヤーキャラクターである逢魔人は、それぞれ独自の能力と秘密を持つ存在です。生命力と正気度の基本値は6であり、怪異分野の特技の数だけ正気度が減少します。PCは6つの分野から特技を選択し、自身の個性と役割を決定します。

使命と秘密：シナリオの中核

各シナリオには、PCそれぞれの「使命」と「秘密」が設定されています。「使命」は全員に公開されますが、「秘密」は特定の条件を満たさなければ公開されません。中には、「秘密」の中に「真の使命」が隠されている場合もあり、プレイヤーは自分の役割と真実を突き詰めていく必要があります。

まとめ

『マルチジャンル・ホラーRPG インセイン』は、その柔軟なシステムと多様な世界観、そして緊張感あふれるゲーム展開で、プレイヤーに忘れられないホラー体験を提供するTRPGです。独自のルールと魅力的な世界観は、多くのプレイヤーを魅了し続けています。

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