マルチマティック

マルチマティック株式会社：自動車産業を支えるグローバル企業

概要

1984年設立のマルチマティック株式会社(Multimatic Inc.)は、カナダ・オンタリオ州マーカムに本社を置く非公開企業です。自動車産業向けに、設計から製造、サービスまでを網羅する幅広い事業展開を行っています。その技術は、車体構造の軽量化、高度なサスペンションシステム、そして精密な金属加工にまで及びます。北米、ヨーロッパ、アジアに製造拠点と開発施設を有し、世界中の自動車メーカーと連携しています。

卓越した技術力と実績

マルチマティック社の強みは、その高い技術力と豊富な経験です。数々の名車に貢献してきた実績は、同社の能力を如実に物語っています。例えば、RUF CTR3やアストンマーティンOne-77といったスーパーカーのカーボンファイバーシャシーとサスペンションシステムの設計・製造を手掛け、2016年モデルのフォードGTのシャシー開発にも深く関わっています。また、VUHL 05やゼノスといった軽量スポーツカー、さらにはアストンマーティンV12 ザガート、CC100、ヴァルカンといった限定モデルにも設計を提供するなど、その顧客は多岐に渡ります。

2012年には、ローラ・カーズの資産を買収。ブランド名と知的財産権を取得し、その技術と歴史を受け継いでいます。Automotive Newsによる北米トップ100サプライヤーランキングでは、2011年に81位、2013年には90位にランクインしており、その高い評価が示されています。

モータースポーツへの積極的な参入

マルチマティック社の活動は、自動車産業にとどまりません。1992年に設立されたモータースポーツ部門、マルチマティック・モータースポーツは、スポーツカーレースを中心に活躍しています。特にフォードとの関係は深く、グランダム・シリーズへの参戦やデイトナ24時間レースでのクラス優勝などの輝かしい実績を残しています。

マツダ、スピードソースへのローラB08/80の供給、チップ・ガナッシ・レーシングとの共同開発によるフォードGTのレース活動への参加など、様々なチームと協力し、ル・マン24時間レースでもLMP675クラス（2000年）とLM-GTEプロクラス（2016年）で優勝を飾っています。

FIA世界耐久選手権（WEC）参戦可能なLMP2シャーシコンストラクターとしての認定も取得しており、ライリー・テクノロジーズとの共同開発によるライリー・マルチマティックMK.30はIMSAユナイテッド・スポーツカー選手権に参戦しています。

未来を見据えた取り組み

2023年には、ウェザーテック・スポーツカー選手権の新設クラスであるLMDhクラスへのマシン供給を予定していました。2021年には、ポルシェとアウディがマルチマティック製シャシーの採用を発表していましたが、アウディについては開発がキャンセルとなりました。ポルシェは2022年にポルシェ963を発表しています。

まとめ

マルチマティック株式会社は、高い技術力と豊富な経験、そしてモータースポーツへの積極的な姿勢を兼ね備えた、世界的な自動車部品サプライヤーです。数々の成功を収め、これからも自動車産業の発展に大きく貢献していくことでしょう。その今後の動向から目が離せません。

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