マルティン・パレルモ

マルティン・パレルモ（Martín Palermo）は、1973年 11月7日生まれのアルゼンチン出身の元サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活動しています。ラプラタで育った彼は、フォワードとしてのプレースタイルが特長で、特にボカ・ジュニアーズでの活躍が知られています。彼の姓は、イタリア南部に多く見られるものであり、彼自身もイタリア移民の子孫です。さらに、イタリアの法律により、国籍を保持しています。

クラブキャリア

1997年、パレルモはボカ・ジュニアーズに移籍します。ここで彼の真価が発揮され、1998年前期リーグでは20得点を挙げて得点王の栄誉をつかみます。その後も南米年間最優秀選手賞に選ばれるなど、クラブのアイドル的存在となりました。彼のキャリアの中でも特に注目されるのは、2000年のトヨタカップでのレアル・マドリード戦でのプレーです。試合開始わずか3分で先制点を決め、前半6分には追加点を奪い、チームをヨーロッパ王者から勝利に導きました。その活躍によりMVPにも選ばれ、彼の名は世界中に広まりました。

しかし、パレルモのキャリアも順風満帆というわけではありませんでした。2001年、スペインのビジャレアルCFに移籍した後、彼は大けがに見舞われます。2001-02シーズンに、コパ・デル・レイの試合中にスタンドが崩壊し、怪我を負います。その影響で、残りのシーズンを活動停止しました。また、2008年には右膝じん帯を損傷し、キャリアに影響を与えることとなります。

彼は2011年6月に現役を引退し、翌年の2月にはボカ・ジュニアーズの本拠地ラ・ボンボネーラで引退試合を行います。ボカでの通算得点は236を誇り、これはクラブの歴代記録となっています。

代表歴

パレルモは、アルゼンチン代表の一員としても活躍しました。1999年のコパ・アメリカでは初めて代表に招集され、同大会で3得点を挙げますが、特にコロンビア戦でのPK失敗が注目されました。彼は3本のPKを蹴り、全て失敗。この試合の後、パラグアイ代表GKのホセ・ルイス・チラベルトに「ボールはこうやって蹴るものなんだよ」とアドバイスされるなど、彼の珍事が語り継がれることとなりました。以降、一時期代表から遠ざかりましたが、2009年にマラドーナ監督に引き戻されます。復帰後の親善試合では2得点を記録し、その後の試合でも決勝ゴールを決めるなど活躍を見せました。2010 FIFAワールドカップのメンバーにも選ばれ、ギリシャ戦での初得点は彼の代表歴の中で特に記憶に残る瞬間となります。

指導歴

現役引退後、パレルモは指導者への道を選びます。2019年1月、リーガMXのCFパチューカの監督に就任しますが、すぐにリーグ9位という結果で退任。2020年11月からはクリコ・ウニドの監督を務めることになり、再びチリ1部リーグで指揮を執ることとなります。

人物

パレルモには「エル・ロコ」という愛称があり、それに関連したユニークなエピソードも多々あります。特に、若い頃には女装癖があり、アルゼンチンの雑誌にその姿が掲載されたこともあります。現在はそのような行動は減っているようですが、彼の自由な性格は多くのファンに支持されています。自動車競技を趣味とし、引退後は本格的に取り組む姿も見受けられます。友人関係にはフアン・セバスティアン・ベロンやギジェルモ・バロスケロットがあり、エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタの大ファンでもあります。また、2009年のボカ・ジュニアーズ対ベレス・サルスフィエルド戦での38メートルからのヘディングシュートは、彼のプレーヤーとしての技術の高さを証明する一例です。

タイトル

クラブ

- ボカ・ジュニアーズ

- プリメーラ・ディビシオン: 1998-99A, 1998-99C, 2000-01A, 2005-06A, 2005-06C, 2008-09A
- コパ・リベルタドーレス: 2000, 2007
- トヨタカップ: 2000
- コパ・スダメリカーナ: 2004, 2005
- レコパ・スダメリカーナ: 2005, 2006, 2008

個人

- プリメーラ・ディビシオン得点王: 1998-99A, 2006-07C
- 南米年間最優秀選手賞: 1998
- トヨタカップMVP: 2000

彼のサッカー人生は、ゴール数に留まらず、エンターテインメント性やユニークなエピソードに満ちたものでした。

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