マルハシ

マルハシ：紀元前3千年紀の謎に包まれた古代国家

マルハシ（シュメール語: Mar-ḫa-šiKI、アッカド語: Parahshum）は、紀元前3千年紀に存在した国であり、イラン高原のエラムよりさらに東に位置していたと考えられています。メソポタミアの記録にその名が登場しますが、正確な位置は特定されていません。一部の研究者は、ジーロフト文化との関連性を指摘しています。

歴史

マルハシは、紀元前24世紀のアダブ王ルガル・アンヌ・ムンヅの碑文に、エラムやグティなどとともに、彼の帝国の構成国の一つとして言及されています。碑文には、マルハシの太守ミギル・エンリルが反乱を起こし、王と対峙したことも記録されています。

また、エラムのアワン朝とシュメールの諸王は、マルハシが持つ豊富な貴石類などの資源をめぐって争奪戦を繰り広げました。

アッカド帝国時代には、サルゴン大王によって征服され、パラシュムと呼ばれました。パラシュムの王アバルガマシュと将軍シドガウは、アワン王ルーイシャンと協力してアッカド王リムシュに対して反乱を起こしましたが、失敗に終わりました。その後も、アワン王ヒゼプラテプとマルハシの同盟は、アッカド王ナラム・シンに打ち破られています。

ウル第三王朝の王シュルギは、治世18年目に娘ナイリミダシュをマルハシ王リバヌグシャバシュに嫁がせ、同盟関係を築こうとしましたが、これは短命に終わりました。シュルギの後継者アマル・シンは、マルハシ王Arwilukpiに対して軍事遠征を行った記録が残っています。

バビロニア王ハンムラビの治世30年目には、「マルハシ、スバルツ、グティ、Tupliash、マルギウムなど、エラムの軍勢を打ち破り、シュメールとアッカドの地を安定させた」と記録されています。

支配者

碑文から判明しているマルハシの主な支配者は以下の通りです。

ミギレンリル（紀元前2550年頃）
（無名の王）（紀元前2325年頃）
アバルガマシュ（紀元前2316年から2312年頃）：アッカド王リムシュに対して反乱を起こした。
Hubshumkibi（紀元前2270年頃）：アッカド王ナラム・シンと同時代。
（無名の王）（紀元前2080年頃）
Hashibatal（紀元前2070年頃）：ウル王シュルギと同時代。
Arwilukpi（紀元前2050年頃）：ウル王アマル・シンと同時代。
Pariashum（紀元前2045年頃）：ウル王アマル・シンと同時代。
リバヌグシャバシュ（紀元前2044–2033年頃）
Mashhundahli（紀元前2020年頃）：ウル王イビ・シンと同時代。

遺物

(画像は省略)

関連項目

アケメネス朝以前のイランの支配者の一覧
ジーロフト文化
メルーハ
アラッタ
ハマズィ朝
スバルツ

参考文献

Potts, D. T., Total prestation in Marhashi-Ur relations, Iranica Antiqua 37 (2002).
Olmstead, A. T., The Babylonian Empire, The American Journal of Semitic Languages and Literatures (1919), p. 72.
Michael Witzel, Substrate Languages in Old Indo-Aryan; 1.9. The Southern Indus language: Meluhhan, EJVS 5 (1999)
Bertrand Lafont, The Toponym Ligriki, Cuneiform Digital Library Bulletin (2002)
* Qashqai, Hamidreza (2011) (ペルシア語) (pdf), Chronicle of Early Iran History (in Persian گاهنمای تاریخ ایران: سپیده دم تاریخ در ایران), academia.edu

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