マレク・イェドラシェウスキー

マレク・イェドラシェウスキー

マレク・イェドラシェウスキー（Marek Jędraszewski）は、1949年7月24日生まれのポーランドのローマ・カトリック教会の高位聖職者で、2016年12月8日からクラクフ大司教を務めています。彼はウッチの大司教としても活動しており、ポーランド司教会議の副会長も担当しています。信仰の擁護者としての彼の姿勢は広く知られていますが、特に結婚に関する立場が際立っています。また、彼はカリスマ的な人物であり、信者との交流や伝道活動にも積極的です。エキュメニカルな対話にオープンな姿勢で、クラクフ大司教区への彼の選任は多くの人々にとって驚きでした。

経歴

イェドラシェウスキーはポズナンで生まれ、1967年には高校を卒業しました。その後、1973年まで司祭の勉強を続け、1973年中頃にアントニ・バラニアック司教から司祭として叙階を受けました。彼は教皇庁立グレゴリアン大学で哲学を学び、後に博士号を取得。1974年にはポズナンで神学の学士号も取得し、1973年から1975年まではオダルノウの聖マルチノ小教区で助任司祭を務めました。1977年には哲学の学士号も得て、1979年には教皇ヨハネ・パウロ2世に関する博士論文を完成させ、金メダルを授与されました。

1980年から1996年まで、彼はポズナンで助教授として教壇に立ち、1980年から1987年までは神学校の校長も務めました。さらに1996年にはクラクフでジャン＝ポール・サルトルやエマニュエル・レビナスに関するハビリテーションの学位を取得し、ポズナンで准教授としての地位を得る一方、ラテラノ大学の客員教授としても活躍しました。

上記を経て、1997年5月にヨハネ・パウロ2世からポズナンの補佐司教に任命され、1997年6月には司教叙階を受けることとなります。2012年、教皇ベネディクト16世によりウッチの大司教に任命され、2017年には現教皇フランシスコからクラクフ大司教に任命され、現在に至ります。

教会での活動と影響

2014年、イェドラシェウスキーは司教たちと共にアドリミナ訪問に参加。教皇フランシスコからは、教育省の一員としても任命されています。また、2013年には「大聖堂の対話」という人気イニシアティブを立ち上げ、信者からの質問に応じることでコミュニケーションを深めました。月に一度の集会では、信仰に関する疑問に直接答える機会を提供しており、多くの支持を得ています。

思想と立場

イェドラシェウスキーは、保守的な立場の高位聖職者と見なされ、様々な社会的問題に対して明確な意見を持っています。体外受精に対しては、人間の尊厳に対する攻撃として反対し、不妊症のカップルには養子縁組を提案しています。また、中絶に関しては一切の状況で反対の姿勢を見せ、生命の保護を訴えています。

特にトランスジェンダー問題に関しては強く反発し、「文明の自己破壊」と表現し、一定の価値観に基づく批判を展開しています。2019年には「LGBTイデオロジー」を「虹の疫病」と称し、社会における影響を警鐘しています。

ハロウィーンへの見解

2013年には、キリスト教に反する祭りとしてハロウィーンへの参加を信者に対して促さないよう呼びかけ、多くの注目を集めました。ハロウィーンが子供たちに与える恐怖のメッセージについて警告し、教会の教えに従った生き方を提唱しています。

教皇ヨハネ・パウロ2世との友情

イェドラシェウスキーと教皇ヨハネ・パウロ2世は、1975年にローマで出会って以来、長い友情を築いてきました。哲学への共通の関心から、両者はしばしば討論し、互いの知識を深める関係を築きました。教皇が就任した後も、信仰のあり方について活発な意見交換が続けられました。

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