マレーシア国営放送

マレーシア国営放送（Radio Televisyen Malaysia、略称：RTM）は、マレーシアを代表する国営のテレビ・ラジオ放送局です。本部をクアラルンプールに置き、国内のメディアにおける重要な役割を担っています。日本では、慣用的に「マレーシア国営放送」と呼ばれることもあります。

歴史

RTMは、1946年4月1日にラジオ・マラヤとして開局しました。これは、マレーシア地域における最初の放送局であり、その歴史は非常に古いです。その後、マレーシアが建国された1963年9月16日に、ラジオ・マレーシアとして法人化されました。1969年にはテレビ放送が開始され、ラジオ放送とテレビ放送の業務が統合された結果、現在の「Radio Televisyen Malaysia」という名称になりました。

1984年にTV3、1989年にBest FMといった民間の放送局が登場するまでは、RTMは無料放送サービスを独占的に提供していました。これにより、長年にわたり国民の重要な情報源として機能してきました。

現在のRTM

現在、RTMはテレビ6チャンネル、ラジオ34局、そしてインターネット放送サービス「RTMクリック」を運営しています。BBCのような公社とは異なり、RTMは政府（通信デジタル省）の一部門として運営されており、ニュースや報道番組は局内の報道部によって制作されています。

また、1961年に設立されたマレーシア最古のオーケストラであるRTM交響楽団（Orkestra RTM）を所有しており、文化的な活動にも貢献しています。RTMはNHKとともに、アジア太平洋放送連合（ABU）の常任理事機関としての役割も担っています。

放送サービス

ラジオ

RTMは全国に6局、ローカルに28局の合計34局のFMラジオ放送を運営しており、これらは「Radio RTM」または「Radio Malaysia」と総称されています。多様な地域や文化に対応した放送を提供し、地域社会とのつながりを深めています。

テレビ

RTMは、TV1、TV2、Okey、Berita RTM、Sukan RTM、TV6の6つの地上波チャンネルを運営しています。これらのチャンネルでは、主にマレー語と英語が使用されていますが、非マレー語国民や中華系、インド系国民向けに、それぞれの言語での放送も行われています。TV1とTV2はコマーシャルを放送しますが、その他のチャンネルではコマーシャルは放送されません。これにより、多様な視聴者層に対応した番組を提供しています。

デジタルプラットフォーム

RTMは、OTTサービス（ネット配信）としてRTMクリック（RTM Klik）を提供しています。これにより、PC、タブレット、スマートフォンなど、様々なデバイスを通じてRTMの番組を視聴できます。RTMのウェブサイトでは、すべての放送コンテンツや国会中継などの情報も提供されており、国民が最新の情報にアクセスしやすい環境が整えられています。

まとめ

マレーシア国営放送（RTM）は、その長い歴史の中で、マレーシアのメディアにおいて重要な役割を果たしてきました。ラジオ放送からテレビ放送、そしてデジタルプラットフォームへと、時代の変化に対応しながら、情報発信の最前線を走り続けています。多様なチャンネルとラジオ局を通じて、国民の生活に密着した情報やエンターテイメントを提供し、マレーシアの発展に貢献しています。

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外部リンク

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