マンネンタケ科

マンネンタケ科（Ganodermataceae）は、担子菌門、ハラタケ亜門、タマチョレイタケ目に属するキノコの分類群です。この科の最大の特徴は、霊芝（れいし）の名で知られるマンネンタケ（Ganoderma lucidum）が属している点にあります。

特徴

マンネンタケ科は、世界中に広く分布しており、約4属100種程度のキノコが含まれています。これらのキノコは、形態や生態において多様性を示します。

形態:
傘を持つタイプ：マンネンタケやマゴジャクシ（Ganoderma applanatum）のように、典型的な傘を持つキノコが見られます。
無柄のタイプ：コフキサルノコシカケ（Ganoderma australe）やエビタケ（Ganoderma pfeifferi）のように、柄がなく、基物に直接付着するタイプも存在します。これらの無柄のタイプは、樹木などに着生し、硬く、多年生であることが多いです。
生態:
多くは木材腐朽菌であり、枯れた樹木や倒木に発生します。これらの菌は、木材のセルロースやリグニンを分解し、自然界における物質循環に重要な役割を果たしています。
一部の種は、生きた樹木に寄生し、病原菌として作用することもあります。
分類の変遷:
以前は、マンネンタケやコフキサルノコシカケなどはサルノコシカケ科に分類されていました。しかし、近年の分子系統学的研究により、これらのキノコがサルノコシカケ科とは異なる系統に属することが明らかになり、マンネンタケ科として独立しました。この変更は、キノコの分類における進化的な関係をより正確に反映するものです。

属名一覧

マンネンタケ科には、以下の4つの属が含まれています。

マンネンタケ属 (Ganoderma):
マンネンタケ、コフキサルノコシカケ、マゴジャクシなど、多くの種が属しています。これらの種は、広範囲な分布を示し、様々な環境で見られます。
コマタケ属 (Amauroderma):
熱帯から亜熱帯地域に分布する種が多く、形態や生態は多様です。
Haddowia (日本名なし):
比較的新しい属で、分類学的な研究が現在も進められています。
Humphreya (日本名なし):
こちらも比較的新しい属で、生態や分布に関する知見はまだ少ないです。

利用

マンネンタケは、古くから薬用キノコとして利用されてきました。漢方薬として、免疫力向上や滋養強壮などの効果が期待されています。

参考文献

『原色日本菌類図鑑』 今関六也、本郷次雄 著 保育社 ISBN 458630023X

関連項目

キノコ
サルノコシカケ科

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