マンボ・グラフィックス

マンボ・グラフィックス（Mambo Graphics）

マンボ・グラフィックス、略してマンボは、1984年にシドニーで設立されたオーストラリアのファッションブランドです。このブランドは、特にサーフィンファッションとストリートファッションに焦点を当てており、グラフィックデザインにおいては政治的、宗教的、そしてユーモアに富んだテーマが取り扱われていることが特徴です。

マンボは、創業者デア・ジェニングス（Dare Jennings）が「ファントム・スクリーン・プリンティング」というシルクスクリーン印刷所の中で、Tシャツ印刷部門として始まりました。1980年代には、自社での印刷やTシャツ製造が行われていましたが、1990年以降は製造を外部に委託する方式に変更されました。

2000年には、マンボは株式を売却し、オーストラリアの有力アパレル企業であるガザル・コーポレーション（Gazal Corporation）の傘下となります。それ以降、マンボは大規模かつ商業的に衣料品や織物を製造し、年間1200万オーストラリア・ドル以上の売上を達成しています。さらに、マンボはオーストラリア国内外で様々なサーフィン関連イベントを主催し、精神障害を抱える若者を支援する団体や国際環境保護団体への資金提供も行っています。

オーストラリアのブランドでありながら、マンボの製品はインドネシア、中国、香港など多くの国で生産され、しばしば「made near Australia（オーストラリア近郊で製造）」と表記されることがあります。1980年代には、「poo-shooter」（犬が放屁する図柄）が特徴のTシャツが流行し、その人気はオーストラリア全土に広まりました。

また、2000年のシドニーオリンピックでは、オーストラリア代表選手団に向けてプリント柄のアロハシャツを提供し、話題となりました。今日、マンボは世界中に22店舗を展開しており、特にニュージーランド、アジア、ヨーロッパでは販売代理店を通じても製品を提供しています。

マンボのデザインには、オーストラリアのロックバンド「メンタル・アズ・エニシング」の元メンバー、レグ・モンバッサ（Reg Mombassa）が関わっており、彼はブランドの象徴的なロゴ「Mambo's」のデザインにも貢献しています。また、マンボのシャツはメディアでも度々取り上げられ、アメリカのSFテレビドラマ『ファースケープ』では、主人公のクライトンの意識の中でシーンに登場するキャラクターがマンボのシャツを着用している様子が描かれています。

このように、マンボ・グラフィックスはその独自のデザインとブランドの活動を通じて、サーフィン文化やストリートファッションの重要な存在となっています。

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