マーキュリー・マリーン

マーキュリー・マリーンについて

マーキュリー・マリーンは、アメリカ・ウィスコンシン州のフォンデュラクに本社を置く、ブランズウィック・コーポレーションのマリンエンジン部門です。この会社は船舶用の船外機を主に設計・製造しており、同社の一部門として、クルーザー向けの船内外機や船内機の開発も行っています。マーキュリーは、船外機市場ではヤマハ発動機に次ぐ大手サプライヤーとして知られ、豊富な歴史を有しています。

歴史の振り返り

マーキュリー・マリーンの起源は1939年、アメリカの機械エンジニアカール・キーケーファーがシダーバーグの機械メーカーを買収したことに始まります。当初、その会社は酪農産業向けのマグネットコンベア分離機を製造していましたが、そこで余剰在庫として残った300基の船外機を修理・改良し、通信販売会社へ卸すことから始まりました。これが成功を収め、マーキュリーという名称も加わり、さらなる発展の道を歩みました。

第二次世界大戦中には、キーケーファーは軍用の空冷式チェーンソーの開発に成功し、これがマーキューリーの名を政府に広めるきっかけとなりました。その後、平和が戻った1940年代後半、プレジャーボートの需要が高まることを見越し、軽量エンジンの開発を続けました。

1947年には、10馬力の水平対向エンジンKE-7を発表し、その後「スーパー10」として改名されました。このエンジンは実際には約14馬力の力を発揮し、マーキュリーの船外機製品群を充実させる要因となりました。1949年には改良型のKF-7が登場し、さらなる成功を収めました。

NASCARへの参入

マーキュリーは自社のブランド向上のため、NASCARレースに参戦しました。1955年と1956年の2年間、レーシングチームを所有し、シリーズチャンピオンに輝くなどの成果を収めました。

1961年にブランズウィック社と合併。それにより業界の新しい技術を積極的に導入し、1966年には初めて電子制御点火装置を6気筒モデルに搭載しました。このような革新は、マーキュリーが船外機市場でトップを競う要因となりました。

スノーモービルの開発

1970年代には、スノーモービルの製造を始め、新たな市場に進出。ロケット340やライトニング400などのモデルが発表され、業界の中で高い評価を得ました。そして、これらの製品は現代のスノーモービルの標準的な設計に大きな影響を与えることになります。

今日のマーキュリー・マリーン

1980年以降、マーキュリーは船外機だけでなく、海外向けブランドやプロペラ、インフレータブルボートなどさまざまな製品群を展開しています。特に、30馬力以下の船外機は日本のトーハツマリーンがOEM供給を行っているなど、国際的な提携も進めています。

公式ウェブサイトやSNSにて、新製品情報や魅力を発信しつつ、マーキュリー・マリーンはこれからもさらなる成長を目指しています。歴史に培われた技術と新たなイノベーションで、多くのボート愛好者に支持され続けているのです。

もう一度検索