マーク・イートン (バスケットボール)

マーク・E・イートン：守備の巨人

マーク・E・イートン（Mark E. Eaton）は、1957年1月24日にカリフォルニア州イングルウッドで生まれ、2021年5月28日に亡くなるまでの人生で数々の偉業を成し遂げた元プロバスケットボール選手です。彼は主にセンターとして活躍し、特にその長身と卓越した守備能力で知られています。イートンのＮＢＡキャリアはユタ・ジャズ一筋であり、彼はそのプレイスタイルで多くのファンを魅了しました。

幼少期と大学生活

イートンは南カリフォルニアで育ちましたが、少年時代には水球に熱中していました。ウェストミンスター高校を卒業した後、彼は3年間にわたり自動車整備士として働いていました。ある日、車の修理に訪れた際に、サイプレス・ジュニアカレッジのアシスタントコーチからスカウトされ、同校に進学。その後、UCLAへ転校しましたが、そこでのプレーは限られたものであり、彼が出場したのはわずか11試合、合計42分という短い時間でした。この経験が後に彼のNBAキャリアに影響を与えることになります。

NBAキャリアの始まり

1982年のNBAドラフトでユタ・ジャズから4巡目全体72番目に指名されて入団。ユタ・ジャズのヘッドコーチ、フランク・レイデンは、「身長は教えられるものではない」とイートンのポテンシャルを見込んで彼を選びました。入団したイートンはすぐに頭角を現し、先発センターの座を奪取。彼はそのシーズンに275回のブロックショットを記録し、1試合平均3.4ブロックでリーグ3位となりました。

驚異的なブロック数

続くシーズンには595リバウンドと351ブロックショットを記録。特に1984-85年シーズンには、エルモア・スミスが設定した393ブロックのNBA記録を大きく上回る456ブロックを達成します。彼の1試合平均ブロック数は5.56に達し、これにより最優秀守備選手賞とオール・ディフェンス・ファーストチームに選ばれました。

チームメートとの強力な連携

彼のオフェンス能力はさほど高くはありませんでしたが、カール・マローンやジョン・ストックトンといったNBAの名選手たちと共にプレイすることで、ユタ・ジャズを強豪チームに育て上げました。イートンは1986-87シーズンから1988-89シーズンにかけてブロック王のタイトルを連続して獲得。この期間中、もう1度最優秀守備選手賞を受賞したり、1989年のオールスターゲームにも出場するなど、彼の存在感は増していきました。

引退とその後

キャリアの終盤には膝や背中の故障が影響し、出場試合数やブロックショットの記録は減少しましたが、彼は875試合に出場し、5216得点、6939リバウンド、3064ブロックと素晴らしい成績を残して引退しました。通算ブロック数はカリーム・アブドゥル＝ジャバーに次ぐ歴代2位で、現在も1試合平均3.50ブロックはNBA記録として残っています。彼の背番号53は1995-96年シーズン中にユタ・ジャズの永久欠番となりました。

イートンは引退後、解説者として活躍し、地元のバスケットボールを盛り上げました。しかし、2021年5月28日にユタ州パークシティーで自転車で外出後に倒れているところが発見され、死因は不明のまま64歳でこの世を去りました。彼のプレイスタイルと功績は、今なお多くのファンに記憶されています。

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