マーク・エリス

マーク・ウィリアム・エリス：堅実な守備と勝負強い打撃で魅せた名二塁手

マーク・ウィリアム・エリス（Mark William Ellis, 1977年6月6日 - ）は、アメリカ合衆国サウスダコタ州ラピッドシティ出身の元プロ野球選手。主に二塁手として活躍し、その堅実なプレースタイルで多くのファンを魅了しました。

プロ入りと下積み時代

1999年、エリスはMLBドラフト9巡目でカンザスシティ・ロイヤルズから指名を受け、プロのキャリアをスタートさせます。しかし、ロイヤルズ傘下時代にはメジャーリーグへの昇格は叶いませんでした。2000年オフには、タンパベイ・デビルレイズ、オークランド・アスレチックスとの三角トレードでアスレチックスへ移籍。これがエリスにとって大きな転機となります。

オークランド・アスレチックス時代：才能が開花

2002年、エリスはついにメジャーリーグデビューを果たし、98試合に出場。翌2003年には154試合に出場し、二塁手として両リーグ最多となる793守備機会、324刺殺を記録するなど、守備力の高さを証明しました。2004年は右肩脱臼のリハビリで全休しましたが、2005年には打率.316、出塁率.384と自己最高の成績をマークし、8月下旬からはリードオフマンに抜擢されるなど、打撃面でも大きく成長を遂げました。

2007年6月4日のボストン・レッドソックス戦では、サイクル安打を達成。一度は達成が難しいと思われた状況から、延長戦で再びチャンスを掴んでの快挙でした。また、同年8月にはラファエル・ボーニガルの持つ二塁手としての球団連続無失策記録を更新し、102試合まで記録を伸ばしました。

2008年は右肩の痛みが再発し手術を受けるなど苦しいシーズンでしたが、守備ではリーグ最高の守備率.993を記録。チーム移転40周年記念のベストナインにも選出されるなど、その功績が認められました。

2009年は怪我に苦しみながらも、8月10日のボルチモア・オリオールズ戦で1試合5安打、16日のシカゴ・ホワイトソックス戦ではサヨナラ本塁打を放つなど、印象的な活躍を見せ、週間MVPを受賞しました。2010年はシーズンを通して好不調の波がありましたが、最終的には持ち直し、守備でも高い貢献度を示しました。

2011年は開幕から不調が続き、シーズン途中にコロラド・ロッキーズへ移籍することになります。

コロラド・ロッキーズ、ロサンゼルス・ドジャース、セントルイス・カージナルス時代

2011年6月30日にブルース・ビリングス、イライザー・メサとのトレードでコロラド・ロッキーズに移籍。シーズン後FA。

2011年11月15日にロサンゼルス・ドジャースと2年875万ドルで契約。2013年11月1日にFA。

2013年12月16日にセントルイス・カージナルスと契約。2014年は控えとしての出場が主となり、打率も低迷。シーズン後FAとなり、2015年2月25日に現役引退を表明しました。

引退後

引退後は、ダリル・カイル賞（2014年）、キャットフィッシュ・ハンター賞（2005、2007年）を受賞。通算守備率は.991で、500試合以上出場した二塁手として歴代5位（2014年終了時点）という記録も保持しています。

マーク・エリスは、派手さはないものの、堅実な守備と勝負強い打撃でチームに貢献した、記憶に残る名二塁手として、その名は野球史に刻まれています。

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