マーク・ナワンガニタワシ

マーク・ナワンガニタワシ（Mark Nawaqanitawase）は、2000年 9月11日に生まれたオーストラリア出身のラグビー選手です。彼のキャリアは非常に多岐にわたり、ラグビーユニオンとラグビーリーグという異なるコード（形式）の双方で高いレベルのプレーを経験しています。特に、近年はラグビーユニオンのオーストラリア代表として活躍した後、ラグビーリーグへの転向を果たし、さらに7人制ラグビーのオリンピック代表にも選ばれるなど、異例とも言えるキャリアパスを歩んでいます。

彼はオーストラリアのバーウッドで育ちました。選手としての基礎は、地元のクラブチームで培われ、特にラグビーユニオンにおいては、イーストウッドやNSWカントリー・イーグルスといったチームで経験を積みました。その才能はすぐに注目され、若い頃から将来を嘱望されていました。体格にも恵まれており、身長193cm、体重100kgという恵まれたフィジカルは、彼が主にプレーしていたウィング（WTB）というポジションにおいて、スピードだけでなくコンタクトプレーでも強みを発揮することを可能にしています。

彼のラグビーユニオンにおけるキャリアの大きな転機は、2020年にスーパーラグビーのワラターズに加入したことです。ワラターズはオーストラリアを代表する強豪チームの一つであり、ここでプロ選手としてのキャリアを本格的にスタートさせました。スーパーラグビーの舞台で経験を積むことで、彼のスキルと判断力は磨かれ、国内外でその名を知られるようになります。

国際舞台では、若い頃からそのポテンシャルを示していました。U20オーストラリア代表に選出された経験は、彼の世代におけるトップタレントであることを示しています。さらに、フル代表であるワラビーズにも選出されるまでに成長しました。2023年8月時点で6キャップを獲得しており、世界最高峰の大会の一つであるラグビーワールドカップ2023フランス大会のオーストラリア代表メンバーにも名を連ねました。これは、彼がその時点でオーストラリア代表の主要な戦力と見なされていたことの証です。

特に印象的な活躍としては、2022年 10月1日に日本で行われたアサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022におけるJAPAN XVとの試合が挙げられます。この試合にオーストラリアA代表として出場した彼は、途中出場ながらチームの勝利に大きく貢献しました。2つのトライを挙げ、そのうちの一つは試合の流れを決定づける逆転トライであり、彼の決定力の高さと試合を読む力を示すプレーでした。

2024年は、ナワンガニタワシのキャリアにおいて、まさに激動の年となりました。まず、同年夏にパリで開催されるオリンピックの7人制ラグビーオーストラリア代表に選出されたことが発表されました。これは、15人制やラグビーリーグとは異なるフォーマットである7人制ラグビーにおいても、彼のスピードや空間認識能力が通用することを示しており、彼のラグビー選手としての多才性を浮き彫りにしました。

そして、さらに大きなニュースとして、2024年シーズンからラグビーユニオンを離れ、ラグビーリーグへの転向を決断したことです。彼はナショナルラグビーリーグ（NRL）のシドニー・ルースターズに加入しました。ラグビーユニオンとラグビーリーグの間で選手が移籍することは珍しくありませんが、オーストラリア代表として活躍中の選手がトップリーグへ転向することは、大きな注目を集めました。同年8月24日、彼はシドニー・ルースターズでの待望のリーグデビューを果たし、その記念すべき初戦で早速トライを決めるという鮮烈な印象を残しました。

このように、マーク・ナワンガニタワシは、ラグビーユニオンのウィングとしてワラターズやオーストラリア代表で実績を積み、ワールドカップ出場やJAPAN XV戦での活躍など記憶に残るプレーを見せました。そして、2024年にはラグビーリーグへの挑戦という新たな道を切り開き、同時に7人制ラグビーでオリンピックという大舞台に立つという、他に類を見ないキャリアを築いています。ユニオン、リーグ、7人制と、異なる形式のラグビーでトップレベルを追求する彼の今後の活躍から目が離せません。

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