マーティンボロ

マーティンボロ (Martinborough)

マーティンボロは日本で生まれた競走馬であり、特に2014年の中日新聞杯や新潟記念での勝利が記憶に残る存在です。馬名はニュージーランドの町に由来しており、独自の背景を持っています。

経歴

マーティンボロは、8月生まれのため日本産競走馬としては非常に遅い誕生日。この遅生まれの理由は、ディープインパクト産駒を南半球へ輸出する実験的な試みから来ていますが、実際には検疫面での問題が生じ、国内で走らせることとなりました。そのため他の同期の馬たちよりも成長が遅く、入厩当初は非常にひ弱でした。

2012年 - 2013年（3歳 - 4歳）

マーティンボロは2012年3月に新馬戦で初めて出走し、5着という結果でした。しかし、その後は小倉競馬場を舞台に、6戦目で待望の初勝利を飾ることになります。2013年末には合計15戦をこなし4勝を達成、そのうち3勝はやはり小倉競馬場という特異な成績を収めました。調教師の友道康夫によると、彼の非力さから平坦で芝の軽い小倉での成績がよかったとされています。

2014年（5歳）

2014年になると、マーティンボロは2月の飛鳥ステークスでの勝利を果たし、オープンクラスへと昇格します。デビュー18戦目に中日新聞杯に挑むと、低評価の10番人気から直線の末脚で見事に勝利を収め、重賞初勝利を達成しました。また、従来の記録を大きく塗り替えたことでも注目されます。その後、エプソムカップへの出走が予定されていましたが、左飛節の腫れにより回避し、小倉記念で復帰。ここでもサトノノブレスに次ぐ2着となります。そして新潟記念では1番人気に応え優勝し、重賞2勝目を達成します。しかし、この競走では騎手のナッシュ・ローウィラーが他馬の進路を妨害したとして騎乗停止処分を受ける事態も発生しました。聖杯ともいえる天皇賞（秋）への初挑戦では期待に反して13着に敗れました。

2015年（6歳）

2015年は脚部に不安を抱え、春シーズンを全休。この年の10月に毎日王冠で復帰を果たしますが、ここでも13着という結果に終わります。

2016年（7歳）

2016年はさらに成績が振るわず、福島記念で7着となり、斜行によって他馬の進路を妨害したため騎手の中谷雄太が処分を受けるという事態も発生しました。この年の成績を最後に、現役を引退します。

2017年（8歳）

引退後は競走馬登録を抹消され、フランス・ノルマンディーのグランシャン牧場で種牡馬としての生活をスタートさせます。事前に栃木県の鍋掛牧場で出国検疫を受けた後、2017年の1月11日に渡仏しました。初年度となる2018年には待望の産駒が誕生し、2023年にはラベ牧場に移動。

主な産駒

マーティンボロの主な産駒には以下の馬が含まれます。特に太字で示すのはG1レースに勝利した競走馬です。

• - イルーシヴプリンセス / Elusive Princess（2023年サラトガオークス勝利）
• - マージボロ / Majborough（2024年トライアンフハードル出走予定）

血統情報

マーティンボロの血縁には数多くの名馬がいます。姉のハルーワスウィートからは、ヴィルシーナ（ヴィクトリアマイル優勝）、シュヴァルグラン（ジャパンカップ勝利）、ヴィブロス（秋華賞、ドバイターフ勝利）など、著名な競走馬が誕生しています。また、全兄にはラジオNIKKEI賞優勝馬フレールジャックが存在し、競馬界の血統を担う存在+として注目されています。

このように、マーティンボロは競走馬としての栄光の後、種牡馬として新たなステージにかわり、血統を次世代へとつなげている特異な存在です。

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