斜行

斜行の概要

斜行（しゃこう）は、公営競技において選手が斜めに走行する行為を示す専門用語です。特に競馬において重要な概念であり、これにより他の競技者の走行が妨害される場合、厳しい制裁が科されることがあります。

競馬における斜行

競馬のレース中、馬がまっすぐに進むことは難しく、斜行や「もたれる」という表現も同じ意味として用いられます。もちろん、馬は自由に動き回ることが許されていますが、その行動にはいくつかの条件が存在します。具体的には、自分の左右や後方に他の馬がいない状況での進路変更や、他馬に対して妨害にならない範囲での動きが許可されています。

しかし、これらの条件を満たさない斜めや横方向の進路選択は斜行と見なされます。斜行した場合、隣接している馬だけではなく、後方から追い越しを試みる馬にも大きな危険が生じる可能性があります。その結果、接触事故や、避けようとした際に落馬するリスクも伴います。

斜行に対する制裁

斜行を行った馬の騎手には、様々な制裁が科されることが一般的です。軽微な場合や、馬の癖によるもので、騎手が進路修正を試みていたと認められるケースでは、戒告や小額の制裁金で済むことがあります。しかし、特に悪質な場合には、後続馬が落馬するなどの事故に発展することがあり、その際には騎手に対して降着や失格の判定が下されることがよくあります。場合によっては、次週以降の騎乗停止といった厳しい処分が与えられることも珍しくありません。

また、降着制度は1953年に西ドイツで導入され、日本では1991年に採用されました。それ以前は日本の競馬において降着制度は存在せず、主な制裁手段は失格や過怠金、騎乗停止に限られていました。現在、日本の競馬においては降着制度が運用されていますが、同じような斜行であっても被害の程度や状況から異なる処分がなされることがあります。

他の公営競技における斜行

斜行は競馬だけでなく、他の公営競技においても重要な概念です。例えば競輪では、選手が走行中に斜行を行った場合、走行注意などの制裁が課せられます。この制裁は着順には影響しませんが、事故点が加算されることになります。さらに、失格となった場合にはレースの賞金が支給されず、後続のレースからの出場を取り消されることもあります。

まとめ

斜行は競馬においてのみならず、他の公営競技でも重要な要素であり、選手のパフォーマンスやレース結果に重大な影響を及ぼすことがあります。選手が安全かつ公正に競技を行うためにも、斜行に対する理解と適切な対策が求められています。

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