マーニ (競走馬)

競走馬マーニの物語：月神の如く、駆け抜けた日々

2016年4月26日生まれの競走馬マーニは、その名に北欧神話の月神を冠する、運命的なキャリアを歩みました。父アドマイヤムーンにちなみ、京都馬主協会の馬名募集キャンペーンで選ばれたその名は、まさに天命を感じさせます。

2018年7月、中京競馬場でのデビュー戦は8着とまずまずのスタートを切りましたが、その後は苦戦が続きました。地道な努力を重ね、3歳未勝利戦で初勝利を挙げたものの、1勝クラスでは思うような結果が出せず、転機が訪れます。それは、障害競走への転向でした。

2020年2月、障害競走に初挑戦。9着という結果に終わりましたが、2戦目で2着と好成績を収め、3戦目でついに障害競走初勝利を掴みました。この勝利は、鞍上の三津谷隼人騎手にとっても障害競走初勝利となり、二人の新たな歴史が刻まれた瞬間でした。その後も、重賞レースへの挑戦やオープン戦での勝利など、マーニは着実に実力を伸ばしていきます。

そして迎えた2021年。京都ハイジャンプ。マーニは、3番手から徐々にポジションを上げ、3コーナーでは先頭に立ちました。最後まで力強く走り続け、最後はトラストに4馬身差をつけて見事優勝。重賞初制覇という偉業達成です。この勝利は、三津谷騎手にとって現役最終騎乗での重賞制覇となり、保田隆芳、野平祐二両騎手に続く快挙となりました。野平騎手以来46年ぶりの出来事であり、重賞初勝利という点においては初の事例となりました。

しかし、栄光は長くは続かず。その後、平地競走に復帰したものの思うような結果が出せず、障害競走にも復帰したものの、思うような走りを見せることができませんでした。2023年5月には左前浅屈腱炎を発症し、JRAの競走馬登録を抹消。金沢競馬へ移籍しましたが、そこで再び苦戦を強いられ、2024年6月8日、地方競馬からも登録抹消、引退となりました。

マーニの競走生活は、華々しい勝利と苦しい敗北が織りなすドラマチックなものでした。月神の名を冠した馬は、時に輝く星のように、時に静かに大地に根を下ろすように、その生涯を終えました。その走り、そしてその物語は、多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

戦績詳細

デビュー戦: 2018年7月1日、中京競馬場2歳新馬戦 8着
初勝利: 2019年7月、3歳未勝利戦
障害競走初勝利: 2020年
重賞初勝利: 2021年京都ハイジャンプ
主な勝ち鞍: 京都ハイジャンプ、新潟競馬場障害オープン戦
主な成績: 東京ジャンプステークス6着、秋陽ジャンプステークス5着、阪神ジャンプステークス3着など
* 引退: 2024年6月8日

血統

(※血統表は省略)

脚注

※戦績と血統情報はJBISサーチ、netkeiba.com等の情報に基づいています。

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