三津谷隼人

三津谷隼人：騎手から調教助手への転身、そして伝説のラストライド

1996年生まれの三津谷隼人氏は、滋賀県出身のJRA元騎手であり、現在は栗東トレーニングセンターの調教助手として活躍しています。幼少期から父である調教助手、三津谷直樹氏の影響を受け、自然と騎手を志すようになりました。

2012年、競馬学校騎手課程（第31期）に入学。2015年3月、栗東・目野哲也厩舎から騎手デビューを果たします。しかし、デビューからの道のりは容易ではありませんでした。同期最遅となる9月5日、小倉競馬場での2歳未勝利戦でタマモスズランに騎乗し、JRA初勝利を挙げたものの、1年目はこの1勝のみという結果に終わりました。

その後も地道な努力を続け、3年目の2017年1月17日、日経新春杯でウインインスパイアに騎乗し、重賞初騎乗の経験を積みます。結果は11着でしたが、この経験は貴重な学びとなりました。

2018年、所属していた目野厩舎が解散したことを受け、フリーの騎手として活動を開始します。転機となったのは2019年5月からの障害競走への挑戦でした。翌2020年5月10日、新潟競馬場で行われた障害競走でマーニに騎乗し、障害初勝利を飾ります。同年、栗東・鮫島一歩厩舎に所属を変更し、さらなる高みを目指しました。

2021年5月からは栗東・川村禎彦厩舎へ所属を変更。そして、同年5月12日、5月20日付での騎手引退と、川村厩舎での調教助手への転身を発表しました。

引退レースとなったのは、京都ハイジャンプ。三津谷氏は、障害初勝利を共に果たしたマーニに騎乗します。結果は圧巻の勝利。後続に4馬身差をつける圧倒的な強さで、見事、重賞初制覇を飾りました。これは、ラストライドでの重賞初制覇という史上初の快挙となりました。

勝利ジョッキーインタビューでは、「辞めるのをやめたいです」と語った三津谷氏。その言葉には、騎手としての未練と、同時に調教助手として新たな未来を切り開く決意が感じられました。予定通り、5月20日、騎手を引退し、調教助手として第二のキャリアをスタートさせました。

三津谷氏の主な騎乗馬としては、京都ハイジャンプを制したマーニや、メロディーレーンなどが挙げられます。騎手としての華麗なる活躍は、多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

三津谷隼人氏のこれまでの歩みは、努力と情熱、そして諦めない強い意志の物語です。騎手としての輝かしい実績だけでなく、調教助手としての今後の活躍にも期待がかかります。彼の新たな挑戦は、競馬界に新たな刺激を与え続けることでしょう。 三津谷氏の経験は、多くの若手騎手にとって大きな励みとなり、未来の競馬界を担う人材育成に貢献していくものと期待されます。

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