ミアンセリン

ミアンセリンとは

ミアンセリン（英: Mianserin）は、主に抗うつ薬として使用される有機化合物で、その化学構造はラセミ体として存在しています。この薬は無臭で、苦味があります。また、水やメタノールには比較的溶解しやすいものの、トルエンには溶けにくい性質を持っています。

開発の歴史

ミアンセリンは、1966年にオランダのオルガノン社（現在のメルク・アンド・カンパニー）によって開発されました。そして、この薬は1983年に日本市場に登場しました。現在、2022年の時点では、オルガノンが製造・販売を行い、第一三共との提携によって「テトラミド」という商品名で販売されています。主にうつ病やうつ状態の治療に用いられています。

作用機序

ミアンセリンの抗うつ作用のメカニズムは、主にシナプス前膜に存在するアドレナリンα2受容体を阻害することに起因しています。この受容体の阻害により、ノルアドレナリンが神経シナプス間隙に放出され、その結果、受容体への刺激が増加します。これがミアンセリンの抗うつ効果を生み出す要因となります。また、抗コリン作用は非常に弱く、他の抗うつ薬に比べて副作用が軽減されるケースが多いです。

適応症

ミアンセリンは、主にうつ病やうつ状態に対する治療薬として使用されます。これにより、患者の気分を改善し、生活の質を向上させることが期待されます。

禁忌事項

この薬を使用する際には、いくつかの禁忌があります。具体的には、モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者には使用が推奨されません。また、緑内障、心疾患、躁うつ病を持つ者に対しては、慎重に投与する必要があります。

薬剤の形態

ミアンセリンは、10mgおよび30mgの錠剤形式で提供されています。この多様な形態は、患者のニーズに応じた適切な用量を選択できるように配慮されています。

副作用

この薬には、いくつかの副作用があります。重大な副作用としては、悪性症候群や無顆粒球症があります。これらの副作用は稀ではありますが、注意が必要です。患者は薬の使用中に異常を感じた場合、直ちに医療機関に相談することが重要です。

関連項目

ちなみに、ミアンセリンは薬剤「レメロン」や「リフレックス」とも関連があります。これらの薬剤は、炭素原子の一つを窒素原子に置き換えただけの構造を持つため、類似の特性を持ちながらも異なる効果を示します。

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