ミサイルの誘導方式
ミサイルの誘導方式について
ミサイルの誘導方式は、工学的観点から分類される技術で、ホーミング誘導、指令誘導、プログラム誘導、複合誘導の4種類があります。これらの方式は、ミサイルが目標に正確に到達するために用いられ、飛翔制御技術と密接に関わっています。
ホーミング誘導
ホーミング誘導は、目標から発せられる信号を受け取って追尾する方法です。この方式は、使用する信号の媒体に応じて、主に2つに分けられます。
電波ホーミング誘導
電波ホーミング誘導は、特にマイクロ波が用いられ、その特性から長距離の目標探知が可能です。電波は大気中での透過性が優れており、以下の3つのサブ方式に分類されます：
このような電波を利用した誘導は、歩進的に進化しており、各世代ごとに複合誘導技術も取り入れられています。
光波ホーミング誘導
光波ホーミング誘導は、光波を利用した信号追尾方式ですが、電波に比べて大気中での透過性が劣るため、射程が短いという特徴があります。この方式にも以下の組み合わせがあります：
- - パッシブ方式：赤外線を利用達成。
- - セミアクティブ方式：レーザーを用いた追尾。
また、他にも生物誘導や手動操縦といったユニークな誘導方法も存在します。
指令誘導
指令誘導は、外部の射撃指揮装置からの情報に基づいてミサイルを操縦します。これには、外部装置が目標を追尾・捕捉する方式や、人間が操作を行う方法など、さまざまな手法があります。
指令照準線一致誘導方式
射撃指揮装置が目標とミサイルとのずれを補正し、指示を与える方式です。
手動指令照準線一致誘導方式
全ての処理を人間の操作に依存、マニュアルによる追尾で精度が要求される方法です。
プログラム誘導
プログラム誘導は、発射前にミサイルの経路を設定し、その通りに運用する方式です。教授の設計が必要であり、予め決められた目標に対して特に効果的です。
慣性航法
地上からの信号に依存せず、内蔵されたセンサーによって独自の進路補正を行います。核弾頭を搭載できる長射程ミサイルにも使われます。
衛星航法
GPSなどを利用してミサイルを誘導します。宇宙からのデータをもとに、高精度な誘導が実現されますが、環境によっては信号が受信できないこともあります。
複合誘導
これらの誘導方法を組み合わせることで、精度や柔軟性を向上させます。例えば、ミサイル経由追尾（TVM）は、地上のレーダーとミサイルが協力して目標を追尾する手法です。
画像誘導
ミサイル先端に搭載された映像装置を利用し、目標を識別、追尾する方式です。これにより、高精度の攻撃が可能となりますが、視界が依存するため条件が厳しくなることもあります。
このように、ミサイルの誘導方式は多様であり、それぞれの方法で異なる利点と欠点がありますが、精度の向上が求められる現代においては、ますます先進的な技術が導入され続けています。
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