ミシェル・ガラブリュ

ミシェル・ガラブリュ：フランス喜劇界の巨星

ミシェル・ガラブリュ（Michel Galabru, 1922年10月27日 - 2016年1月4日）は、フランスの映画、テレビ、舞台で活躍した名優です。特にコメディ映画での活躍が知られていますが、ドラマ作品でもその演技力が高く評価されています。喜劇俳優ジャン・ガラブリュと女優エマニュエル・ガラブリュの父親でもあります。

生い立ちと初期のキャリア

ガラブリュは、国立土木学校の教授であった父ポール・ガラブリュの息子として生まれました。幼少期は父親の仕事の関係でモロッコで過ごし、その後フランスに戻ります。プロサッカー選手を目指した時期もありましたが、最終的には俳優の道を志し、フランス国立高等演劇学校で演技を学びました。

1950年にコメディ・フランセーズに入団し、舞台俳優としてのキャリアをスタートさせました。モリエール、シェイクスピアといった古典劇から、現代劇まで幅広い作品に出演し、その才能を開花させました。映画デビューは1951年で、その後、数多くの映画に出演することになります。

映画俳優としての成功

1960年代から1990年代にかけて、ガラブリュはフランスのコメディ映画に欠かせない存在となりました。250本以上の映画やテレビドラマに出演し、多くの作品で観客を沸かせました。ルイ・ド・フュネスとの共演作は特に人気が高く、「サントロペシリーズ」などでコミカルな上司役を演じ、広く知られるようになりました。

しかし、ガラブリュの才能はコメディだけにとどまりません。1977年には、ベルトラン・タヴェルニエ監督の『判事と殺人者』で第2回セザール賞主演男優賞を受賞し、その演技力を高く評価されました。この作品でのシリアスな演技は、彼の俳優としての幅広さを証明するものとなりました。

舞台への情熱と後進の育成

ガラブリュは映画俳優として活躍する傍ら、舞台への情熱も持ち続けていました。1984年にはパリに劇場を買収し、自らの劇場として運営しました。また、若手俳優の育成にも力を入れ、多くの才能ある人材を育てました。2008年にはモリエール演劇賞を受賞するなど、舞台俳優としての功績も高く評価されています。

晩年と死

晩年は、2014年の弟の死、2015年の妻の死など、不幸が重なりましたが、93歳の誕生日には一人舞台を演じ、健在ぶりを示しました。しかし、2016年1月4日、眠るように息を引き取りました。93歳でした。

ミシェル・ガラブリュは、フランスの映画史、演劇史に名を残す偉大な俳優です。彼の出演作は、今もなお多くの人々に愛され、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

主な出演映画

プチ・ニコラ (2009) - 大臣
ザ・カンニング IQ=0 (1980) - クロッセ警部
Mr.レディMr.マダム (1978) - シモン・シャリエ
判事と殺人者 (1976)
* 大混戦 (1964)

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