ミシシッピ (BB-23)
ミシシッピ（USS Mississippi, BB-23）の艦歴
ミシシッピは、アメリカ海軍が建造したミシシッピ級戦艦のネームシップであり、同型艦としては2隻目に位置します。艦名はミシシッピ州にちなんで命名されました。
起工と就役
1904年5月12日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのウィリアム・クランプ・アンド・サンズ社で起工。1905年9月30日には、ミシシッピ州上院議員ヘルナンド・D・マネーの娘M・C・マネーによって進水しました。1908年2月1日、フィラデルフィア海軍工廠にて初代艦長J・C・フリーモント大佐の指揮下で就役しました。
設計と初期の活動
ミシシッピ級戦艦は、安価な「二線級」戦艦として設計され、制海における補助的な役割を担うことが想定されていました。1908年2月から3月にかけてキューバ沖合で整調航海を実施した後、フィラデルフィアに戻り最終艤装を行いました。その後、ニューイングランド水域での活動や、キューバ大統領就任式へのアメリカ代表派遣任務などに従事しました。
1909年には、ミシシッピ川を遡上し、内陸部の港を訪問。この際、ミシシッピ州政府から銀製食器一式が贈呈されました。その後も、ニューイングランド水域やグアンタナモ湾での冬季演習を繰り返し、東海岸での作戦活動や海軍民兵の練習艦としての任務を遂行しました。
1910年には、イギリスとフランスを訪問した後、グアンタナモ湾での冬季演習に参加。本国帰還後も、大西洋岸での訓練や作戦活動を継続しました。1912年には、キューバへの海兵隊派遣任務に携わりました。
航空ステーション艦としての転換
1912年8月、第1予備役艦隊入りしましたが、1913年12月30日には航空ステーション艦としての任務を与えられ、フロリダ州ペンサコーラに向けて出航。ペンサコーラでは、海軍飛行士たちと共に海軍基地の改修を行い、アメリカ海軍の主要な航空基地の基礎を築きました。
1914年4月には、メキシコ紛争に際し、ベラクルスへ最初の海軍飛行部隊を輸送。ベラクルスでは水上機の基地として活動し、偵察飛行任務を遂行しました。その後、ペンサコーラでのステーション任務を経て、ハンプトン・ローズで航空基地としての機材をノースカロライナに積み替えました。
ギリシャへの移管と最期
1914年7月10日、ミシシッピはギリシャへの移管準備のため、ニューポート・ニューズへ移動しました。7月21日に退役し、同日ギリシャ海軍へ移管され、艦名は「キルキス」と改められました。キルキスは、沿岸防御用の戦艦として17年間就役しましたが、1941年4月にドイツ軍機の爆撃により損傷し、サラミス島で着底沈没しました。第二次世界大戦後に引き上げられ、スクラップとなりました。船首部分の装飾とベルは、その名前の由来となったミシシッピ州に保管されています。
関連項目
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