ミステリーランド

ミステリーランド

講談社が2003年から2016年にかけて発行していた書籍レーベル「ミステリーランド」について解説します。

概要

「ミステリーランド」は、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」というコンセプトのもと、講談社文芸図書第三出版部（通称：文三）の名物編集者であった宇山日出臣氏によって企画されました。

特徴的なのは、その美しい装丁です。ブックデザインはすべて祖父江慎氏が手がけており、シリーズはすべてハードカバーで、箱入り・クロス装という豪華な仕様となっています。箱には穴が開いており、表紙の一部が見えるという遊び心のあるデザインも魅力です。本文には精興社明朝が使用され、本体価格は約2000円でした。

各作品はすべて書き下ろしで、「第○回配本」（○は漢数字）として発行されました。児童向けの書籍ということもあり、字は大きめでルビが振られ、平仮名が多めに使用されています。当初は3か月ごとに3作ずつ刊行される予定でしたが、装丁に使用していた用紙が製造中止になったため、2009年7月の第16回配本以降、シリーズは一時中断しました。

その後、2011年3月に第17回配本がありましたが、当初予定されていた同年夏の第18回配本は実現せず、2016年12月に恩田陸氏によるレーベル完結作『七月に流れる花』と『八月は冷たい城』が刊行され、第18回配本をもってシリーズは完結しました。

また、各作品の多くは講談社ノベルスでも発売されており、山口雅也氏の作品「ステーションの奥の奥」のように、ノベルス版で改題されたものもあります。

受賞作品

「ミステリーランド」の作品は、数々の賞を受賞しています。

うつのみやこども賞
ぼくと未来屋の夏（第20回受賞）
黄金蝶ひとり（第21回受賞）
ラインの虜囚（第22回受賞）
銃とチョコレート（第23回受賞）
このミステリーがすごい!
神様ゲーム（2006年版第5位）
銃とチョコレート（2007年版第5位）
* 怪盗グリフィン、絶体絶命（2007年版8位）

「ミステリーランド」は、美しい装丁と奥深い物語で、子どもから大人まで幅広い読者を魅了した、記憶に残る書籍レーベルです。

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