ミスフィッツ

ミスフィッツ（The Misfits）

アメリカ合衆国出身のハードコアパンクバンド、ミスフィッツは、その独特な音楽性とスタイルでアンダーグラウンドシーンでカルト的な人気を誇りました。当初は商業的な成功には恵まれなかったものの、スラッシュメタル時代のメタリカなどのアーティストに影響を与え、再評価されることとなります。ボーカリストのグレン・ダンジグを輩出したことでも知られています。

バンドの概要と歴史

バンド名の由来：バンド名は、女優マリリン・モンローの遺作映画『The Misfits』（邦題：荒馬と女）に由来します。グレン・ダンジグが、モンローの死を取り巻く噂に強い興味を持っていたことが、このバンド名に繋がりました。

結成から初期（1977年 - 1983年）：1977年、グレン・ダンジグ（ボーカル、ピアノ）、ジェリー・オンリー（ベース）、マニー（ドラムス）の3人で活動を開始しました。当初はギターレスの編成でしたが、1978年には新しいドラマーとギタリストが加わり4人編成となります。1979年には、バンドの象徴となる骸骨マーク「Crimson Ghost」や、特徴的な髪型“Devilock”が登場し、バンドのアイデンティティが確立されました。その後、メンバーチェンジを繰り返しながら、1980年にはジェリーの弟であるドイル（ギター）が加入。グレン、ジェリー、ドイルという黄金期メンバーが揃います。

1982年に1stフルアルバム『WALK AMONG US』、1983年には2ndアルバム『EARTH A.D./WOLFS BLOOD』をリリースしますが、この頃にはバンド内の不和が深刻化し、1983年秋のハロウィンライブを最後に一度解散しました。しかし、解散後、メタリカやガンズ・アンド・ローゼズなどのアーティストがミスフィッツの楽曲をカバーし、バンドは再評価されるようになりました。グレンは自身のプロジェクトである「ダンジグ」で成功を収めました。

新生ミスフィッツ（1995年 - 2015年）：ジェリーとドイルはミスフィッツの再結成を試みますが、バンドの名称権をグレンが個人で所有していることが判明。このことから、両サイドの対立が激化し、約10年間の裁判を経て、ジェリーとドイルが勝訴。1995年に新しいドラマーとボーカリストを迎え再結成を果たし、1997年には3rdアルバム『American Psycho』をリリース。翌年には初来日公演も行いました。その後、ロードランナー・レコードに移籍。1999年にはマリリン・マンソンのフェスティバル“ビューティフル・モンスターズ・ツアー”に参加しましたが、2001年にドイルが脱退し、ジェリー主導の体制に移行します。

リユニオン以降（2016年 - 現在）：ドイルはグレンと和解し、2004年頃からダンジグのライブにゲスト出演するなど親交を深めていました。そして2016年、ジェリーとも和解したグレンが33年ぶりに正式メンバーとして復帰し、ドイルも再びバンドに加入しました。リユニオンツアーは2019年まで続き、その後の活動については「当面は、オリジナル編成での活動予定はない」と示唆されています。

メンバー

現ラインナップ（2020年6月時点）

グレン・ダンジグ (Glenn Danzig) - ボーカル (1977–1983, 2016- )
ジェリー・オンリー (Jerry Only) - ベース (1977–1983, 1995– )、ボーカル (2001–2016)
ドイル・ウルフギャング・フランケンシュタイン (Doyle Wolfgang Von Frankenstein) - ギター (1980–1983, 1995–2001, 2016- )
エイシー・スレイド (Acey Slade) - ギター (2016- )
デイヴ・ロンバード (Dave Lombardo) - ドラムス (2016- )

旧メンバー

ダイアン・ディピアッツァ (Diane DiPiazza) - ベース (1977)
ジミー・バトル (Jimmy Battle) - ギター (1977)
マニー・マルティネス (Manny Martínez) - ドラムス (1977)
フランチェ・コーマ (Frank Licata) - ギター (1977–1978)
ミスター・ジム (Jim Catania) - ドラムス (1978)
ボビー・スティール (Bobby Steele) - ギター (1978–1980)
ジョーイ・イメージ (Joey Poole) - ドラムス (1978–1979) ♰RIP 2020
アーサー・グーギー (Joseph McGuckin) - ドラムス (1980–1982)
ロボ (Roberto Valverde) - ドラムス (1982–1983, 2005–2010)
ブライアン・イメージ (Brian Keats) - ドラムス (1983)
マイケル・グレイヴス (Michale Graves) - ボーカル (1995–2000)
ドクター・チャド (Dr. Chud) - ドラムス (1995–2000)
マーキー・ラモーン (Marky Ramone) - ドラムス (2001–2005)
デス・カディナ (Dez Cadena) - ギター (2001–2016)
エリック・アルセ (Eric "Goat" Arce) - ドラムス (2010–2016)

ディスコグラフィー

スタジオアルバム

Walk Among Us（1982年）
Earth A.D.（1983年）
American Psycho（1997年）
Famous Monsters（1999年）
Project 1950（2003年）
The Devil's Rain（2011年）

ライブアルバム

Evilive（1987年）
Evillive II（1998年）
DEA.D. ALIVE!（2013年）

コンピレーション

Static Age（1996年）- お蔵入りしていた1978年録音の未発表作品。完全版としてボックスセット『The Misfits』（1996年）に収録

スプリットアルバム

BALZAC & MISFITS: Don't Open 'Til Doomsday （2002年）

ボックスセット

The Misfits（1996年）

外部リンク

* 公式サイト

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