ミチノクヤマタバコ

ミチノクヤマタバコ（陸奥山煙草）

ミチノクヤマタバコ（学名: Ligularia fauriei）は、キク科に属する多年草で、主に本州の東北地方および関東地方北部の太平洋側に自生しています。この植物は特に山地草原に見られ、その特異な形状の葉と美しい花が特徴的です。ここでは、その特徴、生育環境、および名前の由来について詳しく述べます。

特徴

ミチノクヤマタバコの茎は直立しており、一般的に60～100cmの高さに成長します。根元で発達した葉はロゼット状に広がり、花の時期にもその姿を保ちます。根出葉は直立し、灰緑色を呈し、形状は卵状楕円形から楕円形です。長さは10～25cm、幅は7～14cmの大きさを持ち、先端は丸く、葉の縁には鋭い波状の鋸歯が見られます。葉の基部は切形や広いくさび形になっており、長い葉柄（15～17cm）に繋がっています。

苗の茎には4個程度の葉が互生し、基部で茎を広く抱き込むように配置されています。

花は6月に咲くことが多く、茎の先端に長さ20cmほどの総状の花序が形成されます。この花序は下から上に向かって順次開花します。総苞は狭筒形で、長さ6mm、直径3mmのサイズです。総苞片は5枚あり、先端は鈍い形状で短い毛があります。頭花の縁には黄色い舌状花が2～3個あり、その花冠は長さ16mm、直径4mmを持つのが特徴です。さらに、筒状花が5個あり、花冠の長さはおおよそ7mmです。また、冠毛は赤褐色で、長さは約3mmになります。

他の類似植物であるヤマタバコ（L. angusta）との違いは、総苞の形状です。ヤマタバコは鐘形の総苞を持ち、総苞片が合着しています。

分布と生育環境

ミチノクヤマタバコは日本の固有種であり、主に東北地方や関東北部の太平洋側に自生しています。主に山地草原のような環境に生息しており、野生の自然環境でその美しい姿を見かけることができます。

名前の由来

この植物の和名「ミチノクヤマタバコ」は、陸奥山煙草という意味を持ち、「山煙草」という呼称は、その葉がタバコに似ているために付けられました。種小名の fauriei は、フランスの宣教師であり植物採集家であるフォーリー神父に因む献名です。

ギャラリー

この植物の美しさを伝えるために、各種の画像を集めてギャラリーを形成することも有意義です。特に葉の形や花の色合いなど、その天然の姿を観察することができるでしょう。生育地の風景を一緒に載せることで、より理解が深まります。

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脚注

• - 植物に関するさらなる情報は、下記の文献を参照してください。

- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠「BG Plants 和名－学名インデックス」（YList）

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