ミック・マーズ

ミック・マーズ：モトリー・クルーを支えた孤高のギタリスト

ミック・マーズ（Mick Mars, 本名：ロバート・アラン・ディール）は、1951年5月4日生まれのアメリカ合衆国のミュージシャンであり、モトリー・クルーの元ギタリストとして広く知られています。インディアナ州テレホート出身の彼は、その独特なギタープレイと存在感で、モトリー・クルーの音楽を支え続けました。

バンド結成までの道のり

アイオワからカリフォルニアへと家族と移住後、ミックは高校を中退し、ギターの道へ進みます。1970年代は、日雇いの仕事で生計を立てながら、週末にはセミプロのブルース・ロックバンドで演奏する日々を送りました。10年近い下積み生活の後、30歳を目前にして出したメンバー募集の広告にニッキー・シックスが応じたことが、モトリー・クルー結成のきっかけとなります。バンド名はミックのアイデアが元になっており、その後はニッキーがリーダーとしてバンドを牽引し、ミックは音楽面でバンドを支える役割を担いました。

音楽性と貢献

ミックの演奏スタイルは、ブルースを基調としたオーソドックスなもので、派手さはありませんが、その巧みなリフ作りと豊富なアイデアは、モトリー・クルーの楽曲制作に大きく貢献しました。彼はバンド最年長であり、目立つ存在ではありませんでしたが、一貫してバンドのメンバーとして活動し、その独特な容姿も相まって、バンドには欠かせない人物となりました。

病との闘いと引退

30代半ばから血清反応陰性関節炎を患い、背中から首にかけて骨が固まり、首を横に動かすことが困難になったと語っています。ギターの重みが症状を悪化させるため、近年ではライブでのギターソロの機会はほとんどありませんでした。2022年10月には、強直性脊椎炎の影響により、今後のツアー活動からの引退がバンドから発表されました。しかし、この「ツアー引退」の解釈を巡り、ミックとバンドの間で意見の相違が生じ、裁判沙汰にまで発展しています。

使用機材

ミック・マーズは長年にわたり、様々なギター、アンプ、エフェクターを使用してきました。

アンプ
Marshall JCM-800 Head
Rivera Bonehead 100Watt Head
Soldano SLO-100 Super Lead Overdrive Head

キャビネット
Rivera Straight Cabinet / 4x12

ギター
初期の頃はギブソン・レスポール・カスタムや変形ギターを使用していましたが、後にクレイマー製ギターを経てフェンダーに落ち着きました。メインギターはフェンダーカスタムショップ製の白いストラトキャスターで、H-S-Hのピックアップ配列とフロイド・ローズが搭載されています。サブギターとして、タバコサンバーストと黒のストラトキャスターも使用しています。アコースティックギターはギブソン製の12弦チェット・アトキンスモデルを愛用。

エフェクト類
Dunlop Crybaby Wah Foot Controller(rackmount)
Rocktron All Access Midi Foot Controller

ガジェット
Heil Sound Talk Box
Rocktron Banshee Talk Box

ラック
数多くのエフェクター、アンプシミュレーターを使用。

参考文献

『YOUNG GUITAR』 2006年2月号 （シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年2月1日）

外部リンク

Mick Mars Official Site
Mötley Crüe Official Site
Mick Mars - IMDb

ミック・マーズは、その音楽性と不屈の精神で、多くのファンに愛され続けています。彼の音楽は、これからも世代を超えて聴き継がれていくことでしょう。

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