ミッドウェスト・ディビジョン (NBA)

ミッドウェスト・ディビジョン：NBAウェスタン・カンファレンスの歴史的地区

ミッドウェスト・ディビジョンは、北米プロバスケットボールリーグ、NBAのウェスタン・カンファレンスに属した地区です。1970-71シーズン、リーグの拡大に伴い創設され、2004-05シーズンに再編されるまで、長きに渡りNBAを彩る激戦区として存在感を示しました。

創設と初期の変遷

1970-71シーズン、NBAは14チームから17チームに拡大。ウェスタン・カンファレンスとイースタン・カンファレンス、それぞれのカンファレンスに2つの地区が設置されることとなり、ミッドウェスト・ディビジョンが誕生しました。当初は、シカゴ・ブルズ、デトロイト・ピストンズ、ミルウォーキー・バックス、フェニックス・サンズの4チームで構成されていました。その後、チームの移籍や新規参入により、所属チームは大きく変動します。1972-73シーズンにはカンザスシティ＝オマハ・キングスが加入する一方、フェニックス・サンズはパシフィック・ディビジョンに移籍しました。

リーグ再編とチームの入れ替わり

1970年代から1980年代にかけて、ABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）からのチーム加入や、既存チームの地区移動が相次ぎました。デンバー・ナゲッツ、インディアナ・ペイサーズといった強豪チームが加わる一方、デトロイト・ピストンズはセントラル・ディビジョンへ移籍。さらに、ニューオーリンズ・ジャズがユタ州に移転しユタ・ジャズとなり、インディアナ・ペイサーズがセントラル・ディビジョンに移籍するなど、激しい入れ替わりが続きました。1980-81シーズンにはダラス・マーベリックスが加入し、ヒューストン・ロケッツ、サンアントニオ・スパーズがミッドウェスト・ディビジョンに合流しました。この一方で、シカゴ・ブルズとミルウォーキー・バックスはセントラル・ディビジョンに移籍しています。

1980年代後半から1990年代前半にかけては、リーグ拡大による新チーム加入と既存チームの地区移動が繰り返されました。マイアミ・ヒート、シャーロット・ホーネッツ、オーランド・マジックなどが短期間所属し、その後他の地区に移籍しました。また、サクラメント・キングス（旧カンザスシティ＝オマハ・キングス）はサクラメントに移転しました。バンクーバー・グリズリーズの加入（1995-96シーズン）や、メンフィスへの移転（2001-02シーズン）などもありましたが、地区再編には至りませんでした。

廃止とその後

2004-05シーズン、NBAは30チーム体制に移行。東西両カンファレンスに3地区制が導入されることになり、ミッドウェスト・ディビジョンは廃止されました。最後のシーズンである2003-04シーズンには、ダラス・マーベリックス、デンバー・ナゲッツ、ヒューストン・ロケッツ、メンフィス・グリズリーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、サンアントニオ・スパーズ、ユタ・ジャズの7チームが所属していました。廃止後は、これらのチームはサウスウェスト・ディビジョンとノースウェスト・ディビジョンに再編されました。

ミッドウェスト・ディビジョンの実績

ミッドウェスト・ディビジョンは、数々の強豪チームを擁し、常に優勝争いが激化していました。サンアントニオ・スパーズは11回と圧倒的な優勝回数を誇り、ミルウォーキー・バックスとユタ・ジャズが6回ずつ優勝しています。また、5チームがNBAファイナルを制覇しており、高いレベルの競争が繰り広げられていたことを示しています。地区名とは裏腹に、所属チームの中には西海岸や南東部に本拠地を置くチームも含まれていました。最も長く所属したチームはデンバー・ナゲッツで、28シーズンに渡りミッドウェスト・ディビジョンで活躍しました。

ミッドウェスト・ディビジョンは、NBAの歴史において重要な役割を果たした地区でした。その激戦区としての歴史は、多くのファンに記憶されています。

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