ミッドナイト東海

ミッドナイト東海

『ミッドナイト東海』は、東海ラジオが1968年3月1日から1983年8月まで放送していた深夜番組です。日本のラジオ界において、特に若者層に大きな影響を与えました。番組は多様なパーソナリティと共に進化し続け、深夜放送の新しいあり方を提供しました。

番組の始まり

1960年代中頃、東京や大阪では深夜放送が流行し、そうした流れに乗る形で東海ラジオも深夜放送を立ち上げることを決定しました。深夜の空いている時間にキャバレーやラブホテルのCMが多かったことが要因の一つとなり（それを夜にシフトさせる狙いがありました）、1962年5月に放送が開始されたのが『ミッドナイトホール』です。この番組はその後『オールナイトホール』へと発展し、最終的に『ミッドナイト東海』として独立した番組となりました。

初期は名古屋で活動する俳優の天野鎮雄がメインパーソナリティを務め、リスナー層としては学生に特に人気のある内容となっていきました。放送が進むにつれ、多くのリスナーが集まり、名古屋での大型イベントにも発展しました。1970年には初のイベント「リコタン・レオと滑ろう」がスキー場で開催され、リスナーが集結しました。このイベントには後に有名な女優となる竹下景子も参加しており、彼女の芸能界デビューのきっかけとなったことでも知られています。

パーソナリティの多様性

その後のパーソナリティには、つボイノリオや笑福亭鶴瓶などが登場し、彼らも番組に新たな風を吹き込みました。特に鶴瓶はリスナーとのやりとりを大切にし、耳寄りな情報や面白いネタを提供していました。また、彼らのパーソナリティであるつボイは、当時社会問題を巡り舌禍事件を起こし、わずか5ヶ月で降板することとなるなど、様々な事件もありました。

人気プログラムとしての成長

『ミッドナイト東海』は始まってからわずか1年で、名古屋の体育館でファンを一万人集める人気を博し、リスナーは中学生や高校生といった若者に拡がっていきました。1974年の平均聴取率は2.2％、占有率68.8％を記録し、地元の深夜放送として多くのファンに支持されました。

様々なエピソード

番組では数多くのエピソードが生まれました。1974年には無名だったフォークデュオ「グレープ」を取り上げ、蟹江篤子アナウンサーが流し続けたことが、全国的なヒットへと繋がりました。また、さだまさしと鶴瓶のエピソードもあり、これらの出来事は番組が単なるラジオ番組ではなく、音楽や文化を切り拓く存在であったことを証明しています。

番組の終了とその後

1983年8月に番組は放送終了を迎えましたが、その legacyは続いています。この番組は以後の『とびっきりNiGHT』や『SF Rock Station』といった人気番組に引き継がれ、今もリスナーに親しまれています。最終回は愛知県体育館からの公開放送として盛大に行われ、7000人以上のリスナーが集まり、16年半の歴史に幕を閉じました。

復活の流れ

番組の土曜深夜の第1部は『財津和夫の人生ゲーム』として独立し、後に『ミッドナイト東海21』として復活しました。これにより、番組は新しい形で現代にも影響を与え続けています。

このように『ミッドナイト東海』は、深夜ラジオの文化を形成し、地域の若者たちと共に多くの思い出を作った番組として、今もリスナーに愛され続けているのです。

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