ミティラー美術館

ミティラー美術館

ミティラー美術館は、新潟県十日町市に位置するインド美術専門の私設美術館です。開設者は、かつて音楽バンド「タージ・マハル旅行団」を率いた長谷川時夫氏。美術館の名前は、北インド、ビハール州にかつて存在したとされるミティラー王国に由来します。美術館は、廃校となった十日町市立大池小学校を改築して作られました。

展示内容

美術館の主な展示は、現代インド美術や絵画です。特に、北インドからネパールの一部に伝わる細密画の技法、ミティラー画の影響を受けた作品群は非常に精緻で見る者を魅了します。所蔵されている絵画は、写実的なものから抽象的なものまで幅広く、ヒンドゥー教の神々やインドの豊かな自然を題材に、幾何学模様と細い線で緻密に描かれています。夢枕獏氏の小説の題名にもなった「上弦の月を喰べる獅子」も展示されています。近年では、西インドの少数先住民族ワルリー族の画家によるワルリー絵画や、テラコッタなどの立体彫刻作品も充実してきています。

特色

ミティラー美術館は、美術品の展示だけでなく、製作の実演も行っています。そのため、多くのインド人画家が訪れ、日本とインドの文化交流に貢献しています。この功績が認められ、平成11年には第14回国際交流基金地域交流振興賞を受賞しました。美術館の建物自体が廃校を再利用したものであり、古いものを大切にするエコロジー精神を体現しています。また、美術館は環境保全活動にも力を入れており、周辺の池の景観は美しく保たれています。

地震の被害と復興

2004年の新潟県中越地震では、展示されていた陶器のほとんどが破損し、絵画も落下や損傷を受けました。建物も大きな被害を受け、一時閉鎖を余儀なくされましたが、2006年7月に再開を果たしました。地震直後は美術館へのアクセスも困難でしたが、現在は問題なく通行できます。

アクセス

ミティラー美術館へは、北越急行ほくほく線美佐島駅から車で約4kmです。赤倉地区へ向かう舗装された山道を上り、立正佼成会の庭野日敬生誕地道場の駐車場を過ぎた先にあります。赤倉地区の入り口にある池のほとり、大池弁才天の左手に位置しています。この地域は冬季の積雪が非常に多いため、美術館は雪に覆われます。

関連情報

上弦の月を喰べる獅子
ミティラー美術館
* 大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ

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