ミドリ電化

ミドリ電化の歴史と特徴

ミドリ電化（ミドリでんか）は、1960年代から2000年代にかけて近畿地方を中心に展開していた日本の家電量販店チェーンです。この会社は、エディオングループの一員として知られています。ミドリ電化の創業は1959年に遡り、創設者の安保詮（あぼ あきら）が設立したものです。

創業のきっかけ

ミドリ電化の名称の由来は、創業当初に借りた空き店舗の看板に記載された「みどり洋装店」から来ています。この看板を見た安保氏が、看板の一部を塗り替えることで名前をそのまま利用しようとしたことが、現在の「ミドリ電化」の名の始まりです。

創業時の所在地は、兵庫県尼崎市の阪急電鉄塚口駅近くの空き店舗でした。初期は小規模な店舗からスタートしましたが、徐々にブランドを確立していくことになります。特に特異な点として、2004年4月からは消費税込みの「ポッキリ価格」表示を導入しました。この価格設定方式はお客様に分かりやすく、安保氏の消費者を思いやる姿勢によるものでした。

店舗の展開と特徴

ミドリ電化は、持ち込み修理の定額制や家具、食器などのインテリア商材の販売も手掛けており、多様な商品ラインナップを誇りました。しかし、2000年代の後半にはこのインテリア関連商品の販売が次第に減少し、新規店舗では家具を扱わないケースが増えていきました。

特に2010年には多くの店舗の家具の取り扱いをナフコに譲渡し、「ネバーランド」という名称でエンターテインメント商品や玩具などの販売に力を入れるようになりました。また、同時期には「エバーグリーン」（ホームセンター業態）や「グリーン・ディス」（ディスカウント業態）なども展開していましたが、これらのブランドは短命に終わりました。

ミドリ電化は地域密着型の店舗運営を重視し、ダイエーの近隣に出店することで集客を図る傾向がありました。しかしながら、関東系の家電量販店の台頭に伴い、厳しい競争にさらされるようになります。

経営統合とその後

2005年には、エディオンに完全子会社化され、社名も「エディオンWEST」に統一されることになりました。この時、ミドリ電化はエディオングループの一部として再編され、一部店舗がエイデン等として改装されました。

2009年にはデオデオと合併し、さらなる統合が進みます。最終的にエディオンのリブランドにより、ミドリの店舗は2012年から2013年にかけて全面的に「エディオン」として統一されました。この過程で、創業以来の名称「ミドリ」は完全に消滅しました。

文化とCMキャラクター

ミドリ電化ではCMにおいても独自のキャラクターを使っていました。初代は漫才コンビ「ちゃらんぽらん」、その後、板東英二や赤井英和が続き、最後には「ミドリちゃん」というキャラクターが登場しました。ミドリちゃんは、「やってみます」が口癖の愛されキャラクターとして親しまれました。

残業問題と社会的負担

2007年には残業代未払い問題が発覚し、尼崎労働基準監督署から是正勧告を受けるなど、過酷な労働環境が問題視されました。この問題は新たな経営方針の見直しを生む要因となり、多くの役員が引責辞任するなど企業としての信用を揺るがす結果となりました。

最後に

ミドリ電化は、多くの消費者に愛されてきたブランドでしたが、時代の変化とともにその名を失いました。残念ながら、2013年に「エディオン」に統一されたことで、長い歴史に幕を下ろしました。それでも、ミドリ電化は地域に根ざした店舗展開や顧客に優しい価格表示方式など、多くの教訓を残した企業と言えるでしょう。

もう一度検索