ミナハサ族

ミナハサ族は、インドネシアのスラウェシ島北部、ミナハサ半島に居住するマレー系の民族です。メナド人という呼称でも知られています。

概要

地理的な要因や言語（方言）の違いから、ミナハサ族は大きく8つのグループに分類されます。彼らは共通して、焼畑耕作と水田耕作によって、トウモロコシ、ラッカセイ、キャッサバ、サツマイモなどの作物を栽培しています。米は主要な食料ではなく、副次的な位置づけです。オランダ植民地時代にキリスト教が伝わり、プロテスタント信仰が広まった結果、現在では人口の約90%がキリスト教徒となっています。伝統的に農地は個人所有の形態であり、結婚後は夫婦のどちらかの土地を選択し、残りの土地は家族に譲られます。ミナハサ族の人口は約70万人です。

言語

ミナハサ族の言語は、オーストロネシア語族に属するミナハサ語であり、インドネシア語派フィリピン語系に分類されます。ザンギル諸島に住む民族と同様に、発音や音韻構造がフィリピンのミンダナオ島の言語に近い特徴を持っています。19世紀初頭にはマレー語が導入され、学校教育などを通じて普及が進められました。

社会

ミナハサ族は、ボラーン・モゴンドウ族と歴史的に対立関係にありました。1679年には、ボラーン・モゴンドウ族の侵攻に対抗するため、オランダ東インド会社と相互援助協定を結びました。この協定をきっかけに、オランダ文化が取り入れられ、ミナハサ族の文化は混合的なものへと変化しました。

関連項目

大洗町: 茨城県東茨城郡に位置する町で、町内にミナハサ族のコミュニティが存在することが知られています。この背景には、水産加工業における外国人労働者の受け入れの歴史があります。

参考文献

金延景、栗林慶、川口志のぶ、包慧穎、池田真利子、山下清海「茨城県大洗町における日系インドネシア人の定住化要因-水産加工業における外国人労働者の受け入れ変遷の分析を中心に-」『地域研究年報』第38巻、筑波大学大学院生命環境科学研究科、2016年。

外部リンク

* ミナハサ族

ミナハサ族は、独自の文化と歴史を持つ民族であり、インドネシアの多様性を象徴する存在の一つです。彼らの生活様式、言語、社会構造、歴史的背景は、多文化共生を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

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