ミナミモア

ミナミモアの競走馬としての経歴と血統

ミナミモアは1938年に三菱財閥経営の小岩井農場で誕生しました。1940年にはその小岩井農場で行われたセリ市で高額の57,000円で落札され、注目の存在となりました。同じ牧場で生まれたセントライトは32,200円で落札されていますが、ミナミモアの方が高く評価されました。

1941年の3月16日、横浜で行われた新呼馬戦でデビューを果たしますが、最初のレースではカミワカに2着と悔しいスタートを切ります。続く新呼馬戦でもロツクフォードに敗れ、3月30日のクラシック初戦となる横浜農林省賞典四歳呼馬ではセントライトに3馬身差で2着となる厳しい結果が続きました。

しかし、1941年5月4日、東京開催の古呼馬戦では初勝利を挙げ、10馬身差という圧倒的な成績で優勝しました。ダービーである東京優駿競走では多くの支持を集めたものの、前日までの降雨による重馬場に苦しみ、結局9着となり惨敗を喫しました。

その後、秋には三冠最終戦である京都農林省賞典四歳呼馬、後の菊花賞へと向かうも、ここでもセントライトに2着となり、目立った活躍は遂げられませんでした。さらには中山四歳呼馬特別では11着と再び期待を裏切るような結果になりました。

5歳を迎えると、古呼馬特殊ハンデに臨み、帝室御賞典（春）に出走します。このレースではパドックでの跛行が目立ち、関係者を心配させましたが、スタートでは見事に先頭に立ち、レコードタイムで6馬身差の圧勝を収めました。しかし、その後は脚部の不安が悪化し、現役を引退することとなりました。

引退後、ミナミモアは種牡馬としての道を歩みましたが、1944年に不慮の死を遂げてしまいました。彼の血統表には、重賞戦線で活躍したトーワカチドキの名前が見られ、さらにその半姉には阪神4歳牝馬勝ち馬のガルモアがいます。近親には名馬クリフジなど、多くの活躍馬も揃っており、ミナミモアの血統背景が競馬界で注目される理由となっています。

ミナミモアの競走生活及び種牡馬としての短い活躍は、多くの競馬ファンにとって記憶に残るものであり、彼の存在は日本競馬史の中に刻まれています。

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