ミナルディ・PS04B

ミナルディ・PS04B

ミナルディ・PS04Bは、2004年のF1世界選手権に向けて開発されたフォーミュラカーで、ガブルエル・トレドッツィによって設計されました。この車両は2004年の開幕戦から2005年第3戦まで実際のレースに投入されました。PS04Bはその名の通り、前モデルのPS03に基づいており、2004年の新しいレギュレーションに適合するように改良が施されています。

設計及び技術的特徴

PS04Bは、エンジンカバー、フロントウイングの翼端板、リヤウイング、そしてインダクションポッドがPS03から変更されており、これによって空力的な性能向上が狙われました。搭載されるエンジンはCR-3Lで、これは2003年に使用されたCR-3の耐久性を高めたもので、1レース1エンジンに対応しています。ただし、CR-3自体は2001年にデビューしたものであり、実質的には3年落ちのエンジンでした。このため、PS04Bのパフォーマンスは当初の期待には届かないことが予測されていました。

2004年シーズンの戦績

2004年シーズンにおいて、PS04BはアメリカGPにおいてポイントを獲得するまで、厳しいレースが続きました。このレースでは、ミナルディが2002年のオーストラリアGP以来約2年ぶりにポイントを獲得し、7位でフィニッシュしました。しかし、その他のレースでは、ミナルディはほとんどテールエンド争いを繰り広げる形となり、最終的に年間でのポイント獲得は1ポイントに留まりました。

2005年シーズンの更新

2005年シーズンの開幕に際して、PS04Bは2004年レギュレーションに基づいて改修され、エンジンはCR-3LからCK2004に変更されました。このエンジンもまた、2レースにわたり使用される耐久性を持っていましたが、設計自体は基本的に同じものでした。PS05が完成するまでの間、PS04Bは第3戦まで使用され、その後のシーズンには新しいマシンが投入されました。

スペック概要

• - シャーシ名: PS04B
• - クラッチ: AP
• - ブレーキキャリパー: ブレンボ
• - ブレーキディスク・パッド: ブレンボ・ヒトコ
• - ホイール: O・Z
• - タイヤ: ブリヂストン
• - ギヤボックス: 6速セミオートマチック
• - エンジン名: コスワースCR-3L（コスワースCK2004）
• - 気筒数・角度: V型10気筒・72度
• - スパークプラグ: チャンピオン
• - 燃料・潤滑油: エルフ
• - イグニッション: コスワース

成績

2004年、ミナルディはコンストラクターズランキングで10位に最終的に終わり、ドライバーズランキングにおいても20位に位置づけられました。ドライバーのゾルト・バウムガルトナーは予選最高位17位、決勝最高位8位を記録しました。一方で、ジャンマリア・ブルーニは予選最高位16位、決勝最高位14位に終わりました。2005年シーズンでは、3戦のみPS04Bを使用しポイントは獲得できませんでした。

ミナルディ・PS04Bはそのレースでの立ち位置から見ても、F1の中で特異な存在であり、力強い性能を発揮することはなかったものの、そのユニークな歴史を持つマシンとして記憶に残っています。

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