ミナルディ・PS05

ミナルディ・PS05について

ミナルディ・PS05は、2005年のフォーミュラ1世界選手権に参加するためにミナルディによって開発されたレーシングカーであり、デザイナーのガーブルエル・トレドッツィが手がけました。このマシンは、2005年シーズンの第4戦から最終戦にかけて実際のレースで使用され、ミナルディにとってはF1での最後のマシンとなりました。

PS05の開発背景

PS05が開発される際、ミナルディは2004年シーズンに使用したPS04Bを基にしていたものの、基本的な設計はPS02とほぼ同じでした。そのため、実質的にほぼ3年ぶりの新設計のF1マシンとなりました。PS04Bが従来のデザインを踏襲していたのに対し、トレドッツィは最新のトレンドを取り入れた革新的なデザインを採用しました。具体的には、フロントウイングが中央部に大きく設計され、路面近くに配置。このデザインは空力性能の向上を狙ったものであり、サイドポンツーンの後方部分は引き締まった形状をしており、深いアンダーカットを施していました。さらに、リヤウイングにはミナルディが初めて採用した翼端板のスリットも維持されました。エンジンパワーはPS04BのコスワースCK2004に比べ、60馬力の向上がなされましたが、資金不足に悩むミナルディは、十分なテストを行うことができず、上位チームに対抗するためのパフォーマンスを発揮することが難しかったのです。

2005年シーズンの展開

2005年シーズンの開幕戦から3戦は、PS04Bを2005年のレギュレーションに適合させたマシンが出走しましたが、第4戦サンマリノGPからはPS05がデビューしました。ただし、デビュー前のテストは不十分であり、開幕直前に1台がバレルンガでのシェイクダウンを行っただけでした。さらに、サンマリノGPでは、木曜日にピットで組み立てるという緊急事態も発生しました。

シーズンが進むにつれ、第6戦モナコGPでパトリック・フリーザッハーが予選13位、クリスチャン・アルバースが14位を記録し、ジョーダンよりも高いポジションを獲得。この結果は、PS05が持つ潜在能力の証明となりました。特に、第9戦アメリカGPでは、ミシュランタイヤ勢が全車リタイヤとなった結果、アルバースは5位、フリーザッハーは6位に入賞を果たしました。しかし、チームへのスポンサーからの支払いが遅れたことを受けて、第12戦ドイツGPからはフリーザッハーに代わってロバート・ドーンボスが出場することになりました。

また、第14戦ベルギーGPでは、チームがレッドブルに売却されることが発表されました。それでも、新しいパーツの導入は続けられ、第17戦ブラジルGPでは新デザインのフロントウイングやバージボードが投入されましたが、ミシュラン勢のボイコットがあったアメリカGPを除き、ポイントを獲得することは叶いませんでした。

車両スペック

• - シャーシ名: PS05
• - 全長: 4,548 mm
• - 全幅: 1,800 mm
• - ホイールベース: 3,097 mm
• - 前トレッド: 1,451 mm
• - 後トレッド: 1,422 mm
• - クラッチ: AP
• - ダンパー: ザックス
• - ブレーキキャリパー: ブレンボ
• - タイヤ: ブリヂストン
• - エンジン: コスワースTJ2005シリーズ10（V型10気筒、排気量2,997 cc）

結果と影響

シーズン終了後の11月1日、ミナルディはレッドブルに買収されましたが、その前にミナルディとテスト契約を結んでいたドライバーたちによる最後のテストが行われました。最終テストでは、PS05とPS04Bが持ち込まれ、オーナーのポール・ストッダートがPS05をドライブして締めくくり、チームとしての歴史に幕を下ろしました。このPS05は、ミナルディの技術的革新と挑戦の象徴として残り続けています。

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