ミニミニ・バンバン

『ミニミニ・バンバン』とは

1968年10月4日から1969年3月28日まで、毎週金曜日の夜7時30分から8時まで、TBS系列局で放送されたバラエティ番組、それが『ミニミニ・バンバン』です。全26回（本放送24回に加え、再放送が2回含まれます）にわたって視聴者に届けられました。TBSが制作を手がけたこの番組は、当時のテレビ界において、特にその斬新な構成と出演者によって注目を集めました。

番組の特色と内容

この番組の最も際立った特徴は、当時人気絶頂だった女性芸能人4人が司会を務めた点にあります。ジュディ・オング、いしだあゆみ、加賀城みゆき、川奈ミキという、それぞれが歌手や女優として活躍していた個性豊かな面々が、週替わり、あるいは協力して番組を進行しました。

番組のメインパートは、スタジオで展開される様々な企画でした。コミカルなコントや、司会者を含む出演者による歌やダンスのショーなど、バラエティ番組としての王道的な要素が盛り込まれていました。しかし、『ミニミニ・バンバン』はこれだけに留まりませんでした。

特筆すべきは、屋外で撮影されたロケーション映像の扱い方です。当時のテレビ番組としては比較的珍しく、映像表現に実験的な試みが取り入れられていました。具体的には、撮影した映像をコマ落とし（スローモーションとは異なり、フレームレートを落としてカクカクした動きに見せる技法）やストップモーション（被写体を少しずつ動かしながら撮影し、繋げることでアニメーションのように見せる技法）といった編集テクニックを駆使して放送していました。これにより、日常の風景や出来事が、ユニークで視覚的にも新鮮な表現として視聴者に提示され、番組に独自の色彩を加えていました。スタジオでの作り込まれた世界と、屋外ロケの映像的な遊び心という、二つの柱で構成されていたと言えるでしょう。

魅力的な出演者たち

番組を彩ったのは、司会の4人だけではありません。レギュラー陣もまた、強力な個性を持つ面々でした。

司会:
ジュディ・オング
いしだあゆみ
加賀城みゆき
川奈ミキ
彼女たちは、司会という役割に加え、番組内のコントやショーにも積極的に参加し、多才ぶりを発揮しました。

レギュラー:
ロイ・ジェームス：独特のキャラクターで番組にアクセントを加えました。
毒蝮三太夫：歯に衣着せぬトークで人気を博していた彼の存在も、番組に厚みを与えました。
横山やすし・西川きよし：当時勢いに乗っていた若手漫才コンビが、お笑いの要素を担いました。
これらのレギュラー陣が、司会の4人と絡むことで、番組はより多様なエンターテインメントとして成立していました。

制作を支えたスタッフ

番組の成功は、才能あるスタッフの力によるところも大きいです。

作・構成: たかたかし、中原弓彦、保富康午、大倉徹也、曽我部博士といった、当時の人気番組を手掛けていた構成作家たちが、番組の骨子を作り上げました。
演出: 井原利一がディレクションを担当し、スタジオ企画や映像編集の方向性を決定づけました。
プロデューサー: 野中杉二、井田舒也が番組全体の統括を行いました。
* 制作協力: 日本コロムビアが制作面で協力し、番組の完成度を高めました。

テーマ曲「ミニミニ・バンバン」

番組のオープニングを飾ったのは、その名も「ミニミニ・バンバン」というテーマ曲でした。この楽曲は、番組の顔である司会のジュディ・オング、いしだあゆみ、加賀城みゆき、川奈ミキの4人によって歌われました。番組の明るく楽しい雰囲気を表現した楽曲は、視聴者にも親しまれました。

『ミニミニ・バンバン』は、約半年の放送期間ながら、人気女性タレントの司会起用、多様なスタジオ企画、そして実験的な映像編集といった要素を組み合わせることで、当時のテレビバラエティ番組において独自の地位を確立したと言えるでしょう。参考文献として『毎日新聞縮刷版』などが挙げられており、当時の放送状況を知る手がかりとなっています。

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