保富康午

保富 康午の生涯と業績

保富 康午（ほとみ こうご）は、1930年に和歌山県西牟婁郡すさみ町で生まれ、1984年に54歳で亡くなるまで、音楽界に多大な影響を与えた日本の作詞家です。彼の名前には「保冨」との表記もあり、本名は「庚午」とされています。特に、彼の作詞による子供向けの楽曲「大きな古時計」は、日本中に広まり、アニメや歌謡界での多くの作品でも知られる存在となりました。

幼少期と教育

康午は幼少期を千里山で過ごし、千里第二小学校を卒業しました。その後、同志社大学で学業を続ける傍ら、詩人の村野四郎に弟子入りし、文学的な感性を磨きました。しかし、知人からミュージカルの台本依頼を受けたことがきっかけで、テレビの制作に関わるようになりました。

テレビ業界での活動

康午は、構成作家として様々な歌番組に携わるようになり、『サンデーサン』やフジテレビの『ミュージックフェア』等で活躍しました。また、演歌のショーにおいても数多くの舞台を担当し、音楽の幅広い分野で影響力を発揮しました。彼の作品は子供向けの歌も多く、外国の童謡の訳詞も手がけるなど、多様なジャンルにわたっていました。特に、1962年にNHKの「みんなのうた」で発表された「大きな古時計」の訳詞は、子供たちにとても人気があり、広く知られることとなりました。

アニメソングと主題歌

また、康午はアニメ業界でも多くのヒット作の作詞を手がけ、『ドカベン』や『おれは鉄兵』、さらには『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『科学忍者隊ガッチャマンII』といった名作に曲を提供しました。特にモータースポーツに深い造詣があった彼は、東映動画が制作した『アローエンブレム・グランプリの鷹』では、主題歌の作詞に加え、原案と監修も務めるなど、彼の多才さを示しました。

死去と遺産

1984年9月19日、康午は54歳でこの世を去りました。その生涯の中で、森進一のコンサートを全て仕切り、森の代表曲「おふくろさん」に補詞を付けることを提案するなど、音楽だけでなく制作面でも大きな影響を与えました。彼の提案は後に「おふくろさん騒動」のきっかけともなりました。

主な作詞作品

康午は多くの楽曲を手掛けています。歌謡曲では「湯の町しぐれ」や「いのちずぶ濡れ」、また美空ひばりの楽曲『思い出の鞄』や石原裕次郎の『反逆の報酬』などが有名です。また「大きな古時計」のほか、外国の童謡訳詞も多く残されています。

アニメや特撮においても数多くの曲があり、合身戦隊メカンダーロボや大戦隊ゴーグルファイブのテーマなど、世代を超えて多くのファンに親しまれています。さらに、彼はNHKやフジテレビをはじめとした多くの音楽番組の構成も手掛け、その影響力は非常に大きなものでした。

彼の業績は今もなお、音楽やアニメの分野で語り継がれ、多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索