ミニミ軽機関銃

ミニミ軽機関銃の概要

ミニミ軽機関銃（MINIMI）は、ベルギーのFNハースタル社によって開発された軽機関銃です。この銃は、主に5.56x45mm NATO弾を使用するモデルとして知られていますが、その後7.62x51mm NATO弾を弾薬とするモデルも生まれました。名前の「ミニミ」は、フランス語で「小型機関銃」を表す「MINI Mitrailleuse」の略です。オーストラリア国防軍では、7.62mmモデルを「マキシミ」（MAXIMI）と呼ばれています。

歴史的背景

ミニミ軽機関銃の発展は、第二次世界大戦中に遡ります。ナチス・ドイツによるベルギー占領後、国営造兵廠（FN）は一時的に縮小を余儀なくされましたが、解放後に活動を再開しました。1958年には汎用機関銃MAGが発表され、これはドイツのMG42やアメリカのBARからインスパイアを受けたものでした。MAGはすぐにイギリス軍に採用され、1961年からはライセンス生産も開始されました。MAGは信頼性が高く優れた射撃性能を持っていましたが、その分重く機動性に欠けるとされ、イギリス陸軍の特殊部隊（SAS）はより軽く機動性のある機関銃を求めるようになりました。

このニーズに応える形で、ミニミ軽機関銃の開発が進められ、1974年にいくつかのプロトタイプが登場しました。また、アメリカ陸軍はベトナム戦争の経験を踏まえ、分隊支援火器（SAW）計画を開始しました。FN社はこの計画に参加し、1979年から行われた比較試験で高い評価を受け、1984年にはM249軽機関銃として正式に配備が開始されました。

設計や機能

最初はMAGと同様の7.62x51mm弾を使用する計画がありましたが、FN社は後に5.56x45mm弾を使用する方針に転換しました。2000年代初頭にはアメリカ特殊作戦軍の要請に応じて再び7.62mm口径モデルも開発され、これがオーストラリア軍では「マキシミ」と呼ばれています。2013年にはMk.3シリーズが発表され、同シリーズでは口径変更が可能なキットが提供されており、既存のミニミもMk.3への改修が可能です。

給弾機構

初期型はリンクベルト装弾のみを使用していましたが、後に弾倉からの給弾も可能な設計が導入されました。これにより、銃の使用の幅が広がりました。特に、M16用のSTANAGマガジンからの給弾が可能となり、柔軟性が増しました。ただし、7.62mmモデルやMk 46では弾倉からの給弾は省かれています。また、弾薬を供給する際には、200発容量のプラスチック製ボックスや布製パックを使用できますが、初期モデルでは装着に不具合が多く、布製パックの使用が好まれることがあったと言われています。

自動機構

ミニミは試作段階からガス圧作動方式が採用されており、MAGとの共通点がありますが、閉鎖機構はロータリーボルト式を採用しています。これにより、特に信頼性の向上が図られています。特に、通常使用時と「悪条件下」でのセッティングを選べるガス規制子が備えられており、これによりさまざまな状況に柔軟に対応できるようになっています。

銃身部および照準器

ミニミの銃身はクロームメッキが施され、効果的な射撃が可能です。特に短銃身のモデルも存在し、これによりしっかりとした随伴運用が可能になります。また、照準器は照門照星式となっており、調整が容易で、後のモデルでは光学装置の取り付けが可能なピカティニー・レールが装備されています。

世界の使用状況

ミニミ軽機関銃は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど、数多くの国で採用されています。特にアメリカ陸軍ではM249軽機関銃として広く使われ、特殊作戦部隊向けに改良版が多数存在します。日本でも自衛隊がライセンス生産し、陸上自衛隊の標準装備として使用されています。このように、ミニミはその信頼性とバリエーションから、世界中で広く運用されています。

まとめ

ミニミ軽機関銃は、その優れた設計と多機能性から、世界中の軍隊に採用されている重要な火器です。過去の戦訓を生かし、今後も様々な改良が期待される製品です。

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