M249軽機関銃

M249軽機関銃の概要と歴史

M249軽機関銃（M249 light machine gun）は、アメリカ合衆国で製造された軽機関銃であり、アメリカ軍では5.56mm軽機関銃M249という正式な名称が付けられています。この銃は1984年に採用され、主に分隊支援火器（SAW）として運用されています。製造はFNハースタル社の米国現地法人、FNH USAが担当し、アメリカ軍の様々な部隊に導入されています。

機能と設計

M249はガス圧作動方式を採用した軽機関銃であり、簡単に銃身を交換できる設計が特徴的です。二脚は折りたたみ式で、M192三脚にも取り付けることが可能です。給弾はM27弾帯とSTANAGマガジンを使用し、特に小銃手が持つM16自動小銃やM4カービンのマガジンを流用できる設計になっています。ただし、発射速度が高いため、STANAGマガジン使用時には装填不良が発生しやすくなります。

M249は1989年のパナマ侵攻での実戦投入を皮切りに、アメリカ軍が参加する主要なすべての戦闘で使用されてきました。特に、多くの兵士がその性能に満足している一方で、砂や汚れによる弾づまりの問題も報告されています。アメリカ海兵隊では、M27 IARによる一部更新が進められています。

開発と採用の経緯

1965年、アメリカ陸軍と海兵隊はM2重機関銃とM60機関銃を運用していました。しかしながら、これらの機関銃は重量があり、効率的な運用には最低2名の兵士が必要でした。そこで、アメリカ軍は軽量で高火力、単独で操作可能な機関銃の開発を決定しました。

1968年、5.56mm口径の軽機関銃開発が提案されましたが、当時はその威力不足が懸念され、資金は限られました。1970年、陸軍は新しい軽機関銃の開発計画を承認し、その名称を「分隊支援火器（SAW）」としました。1976年には、ミニミ軽機関銃とロッドマンXM235が選ばれ、最終的に1980年にM249として正式に採用されました。

1984年には、M249が分隊支援火器として陸軍に配備され、1985年には海兵隊でも展開が始まりました。製造はサウスカロライナ州コロンビアのFN社工場で行われ、射撃精度と信頼性が評価されましたが、一方で銃身の過熱や部品の鋭利さなど、使用者にとっての危険も指摘されました。これを受けて、連邦議会は1986年度の国防予算からM249に関するものを削除し、製品改良計画が始まりました。

特徴と性能

M249は、弾帯による給弾方式であり、5.56x45mm NATO弾を使用します。一般的には200発の弾帯が装備され、全長は1,041mm、重さは約7.5kgに達します。また、銃身は空冷式であり、容易な銃身交換が可能な設計が施されています。

M249の作動方式にはガス圧作動とオープンボルト方式が採用されており、連射能力を持つフルオートのみで運用されます。射撃速度は約725発/分から1,000発/分の範囲で調整可能です。

実戦投入の歴史

M249は湾岸戦争やアフガニスタン、イラク戦争など、数多くの戦闘に投入されました。湾岸戦争では定位置からの支援に使用され、アフガニスタンではPIPキットによる改修が行われました。2003年のイラク戦争では、老朽化が進み、信頼性に関する懸念が出る一方で、M249の射程や射撃速度が支持されました。

未来への展望

現在、M249はその性能や信頼性に対して様々な評価を受けています。海兵隊はM27 IARへの移行を進めていますが、陸軍ではM249の更新が検討されています。持続的な改良計画は続いており、さらなる性能向上が期待されています。また、6.8mm弾を採用した新型火器の開発も進められており、将来的にはM249が他の新型武器に取って代わられることが予想されます。

このように、M249軽機関銃は長きにわたりアメリカ軍の重要な火器であり続け、今後もその役割を果たすことが期待されています。

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