ミニ4ボーイ

ミニ4ボーイ

『ミニ4ボーイ』は、1996年12月27日にJ・ウイングから発売されたゲームボーイ用レースゲームです。当時、社会現象にもなっていたミニ四駆ブームに便乗した亜流作品として登場しました。

ゲームの目的は、ミニ四駆模型のマシンをチューンナップしながら大会に出場し、頂点を目指すというもの。しかし、ストーリー性はほとんどなく、マシンのチューンナップも、順次解禁されていくパーツを買い集めるだけでバリエーションに乏しく、単調な印象は否めません。

開発工程を極限まで絞ったようなゲームシステムも特徴的です。レース中は、自分や対戦相手のマシンのグラフィックが表示されることはなく、代わり映えのしない一人称視点の風景がひたすら流れるだけ。マシンのグラフィックも、モンタージュのようにパーツを組み合わせただけのもので、輪郭線が合わないこともあります。購入したパーツを搭載しても、レース中のグラフィックに反映されないという問題もありました。

しかし、便乗商品でありながら、テレビCMを堂々と流すという大胆な販売促進が行われていました。

企画・キャラクターデザインを担当した長谷見沙貴氏によると、J・ウイングからミニ四駆を題材にしたゲームを企画するように指示を受け、本作を制作。開発期間は非常に短く、プログラマーが開発途中で離脱する事態も発生したそうです。長谷見氏は本作を「クソゲー」と評していますが、発売時期がミニ四駆ブームの最中だったため、売り上げは伸びたとのことです。

1997年9月、小学館プロダクション、タミヤ、アスキーの三社は、本作およびパッケージに、漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』に登場するミニ四駆を模したイラストが使用されているとして、J・ウイングに対し、製造・販売の差し止めを求める仮処分申請を東京地方裁判所に起こしました。J・ウイングの社長は、読売新聞の取材に対し、「突然、仮処分申請を出され驚いている。アスキーのソフトの方が後発で、著作権侵害とは思っていない。あくまで争いたい」とコメントしています。

ミニ4ボーイII

『ミニ4ボーイII』は、前作の反省点を踏まえ、大幅な改善が施された続編として、1997年9月27日に発売されました。

前作が単調なレースとチューンナップの繰り返しだったのに対し、本作では個性的なキャラクターや、当時のホビー漫画を意識したストーリーなど、シナリオ面が大幅に強化されています。レース画面でも俯瞰視点が導入され、マシンが走行する姿を見ることができるようになりました。

参考文献

株式会社QBQ編　『ゲームボーイクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117790 p14

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