ミネアポリス・サウンド

ミネアポリス・サウンドは、1970年代後半にプリンスによって確立された音楽ジャンルです。ファンク、ロック、ポップ、シンセポップ、ニュー・ウェイヴなどの要素を融合させた独特のサウンドが特徴で、1980年代にその人気はピークを迎えました。プリンスを筆頭に、ザ・タイム、ジャム&ルイス、ジャネット・ジャクソン、モーリス・デイ、ヴァニティ6、アポロニア6、タ・マラ&ザ・シーン、シーラ・E、ジェシー・ジョンソン、ブラウンマーク、マザラティ、ザ・ファミリーなど、多くのアーティストがこのジャンルに属し、シーンを盛り上げました。

ローリング・ストーン・アルバム・ガイドでは、「ミネアポリス・サウンドは1980年代半ばのR&Bやポップスに大きな影響を与え、その後の20年間でエレクトロ、ハウス、テクノに多大な影響を及ぼした」と評価されています。この評価からもわかるように、ミネアポリス・サウンドは、単なる一過性のムーブメントではなく、その後の音楽シーンに大きな足跡を残しました。

プリンスの影響は、ミネソタ出身のミュージシャンだけでなく、アメリカの他の地域や、さらには海外のミュージシャンにも及びました。例えば、レディ・フォー・ザ・ワールド（ミシガン州）、シェレール（ロサンゼルス）、シーナ・イーストン（スコットランド）など、多様なバックグラウンドを持つアーティストたちが、ミネアポリス・サウンドに影響を受けた音楽を制作しています。これらの音楽は、より広範にファンク・ロックとして認識されることもあります。

音楽的な特徴

ミネアポリス・サウンドは、ファンクを基盤としているものの、従来のファンクとは異なる独特のサウンドを持っています。主な特徴は以下の通りです。

シンセサイザーの活用: 純粋なシンセサイザーが多用され、単なる装飾ではなく、サウンドの重要な要素として活用されています。フィルよりも、アクセントとして使用されることが多いのが特徴です。
ギター: 伝統的なファンクと比較して、ギターの音量が大きく、ソロパートでは積極的なインプロビゼーションが展開されます。
ベース: シンセベースまたはエレクトリックベースが、ファンキーで重要な役割を果たします。
ドラム: ドラムには、伝統的なファンクのサウンドよりも、機械的な処理や加工が加えられることが多いです。

これらの要素が組み合わさることで、ミネアポリス・サウンド独特の、エッジの効いた、ファンキーで、ダンサブルなサウンドが生まれます。このサウンドは、1980年代の音楽シーンに大きなインパクトを与え、後の音楽ジャンルにも大きな影響を与えました。

ミネアポリス・サウンドの主なアーティスト

プリンス
ザ・タイム
ジャム&ルイス
ジャネット・ジャクソン
モーリス・デイ
ヴァニティ6
アポロニア6
タ・マラ&ザ・シーン
シーラ・E
ジェシー・ジョンソン
ブラウンマーク
マザラティ
ザ・ファミリー

参考資料

Henderson, Alex. “The Minneapolis Sound”. Allmusic.
Ohmes, Jeremy (June 4, 2009). “The Minneapolis Sound”. PopMatters.
Rashad Shabazz, How Minneapolis made Prince. The Conversation, January 27, 2020.

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