ミハイル・ミジンツェフ

ミハイル・エフゲニエヴィチ・ミジンツェフは、1962年9月10日生まれのロシアの陸軍軍人です。大将の階級を持ち、その軍歴はソビエト連邦時代にまで遡ります。

軍歴と昇進

ミジンツェフは1980年に軍に所属し、ソ連崩壊後もロシア陸軍で軍務を継続しました。長年にわたり着実に昇進を重ね、最終的には大将の地位にまで上り詰めました。その間、ロシア国家防衛管理センターを率いるなど、重要な役職を歴任しました。

シリア内戦への関与

ミジンツェフはシリア内戦におけるロシア軍の軍事介入にも深く関与していました。特にアレッポの戦いにおいては、空爆作戦を計画したとされています。しかし、その作戦はアレッポを壊滅させるほどの残虐なものであったと非難され、国際社会から強い批判を浴びました。

ロシア・ウクライナ戦争での役割

2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻では、ミジンツェフはマリウポリ包囲戦においてロシア軍を指揮しました。この包囲戦で、彼は個人として重要な役割を果たしたと伝えられています。しかし、包囲戦中に発生した市民への攻撃、特にマリウポリの劇場や病院への爆撃は、戦争犯罪と広くみなされており、ミジンツェフはこれらの行為への責任を問われています。

ウクライナの人権弁護士であるオレクサンドラ・マトヴィーチュクをはじめとする人々は、ミジンツェフを戦争犯罪で非難し、国際司法裁判所での責任追及を求めています。しかし、ミジンツェフ自身はこれらの批判を否認し、「ひどい人道主義的大惨事」を引き起こしたのはウクライナ軍であると主張しています。彼はまた、アゾフ大隊が劇場や病院内部に潜伏していたと主張し、マリウポリからの退避を希望するすべての市民に「安全な退避」を認めたと主張しています。しかし、これらの主張は複数の情報源によって反論されており、避難民が攻撃を受け、ろ過収容所に送られたという証言が多数報告されています。

国防次官からワグネル・グループへ

2022年9月24日、ミジンツェフはドミートリー・ブルガコフの後任としてロシア国防次官に任命され、兵站部門を監督しました。しかし、2023年4月30日に次官を解任され、その後、同年5月よりワグネル・グループの副司令官に就任しました。この異動は、彼の軍歴における新たな局面を示しています。

制裁

ミジンツェフの行為は国際社会からも非難されており、2022年3月31日にはイギリス外務大臣リズ・トラスによって、イギリスの制裁リストに加えられました。これは、彼の行動が国際法違反であると認識されていることを示しています。

まとめ

ミハイル・ミジンツェフは、その軍歴を通じて重要な役割を果たしてきた人物ですが、同時に戦争犯罪の疑いで国際的な非難を浴びている人物でもあります。シリア内戦やウクライナ戦争における彼の行動は、国際社会の注目を集めており、今後の動向が注視されています。

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