ミヒャエル・クーデンホーフ＝カレルギー

ミヒャエル・クーデンホーフ＝カレルギー（1937年4月10日 - 2018年12月26日）は、オーストリアの画家であり、クーデンホーフ＝カレルギー伯爵家の人物です。日本研究者であるゲオルフ・クーデンホーフ＝カレルギーを父に、また「欧州統合の父」として知られるリヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギーを伯父に持ちます。祖母は日本人の青山みつ（光子）であり、日本との深いつながりを持っていました。

幼少期から日本文化に親しみ、父から日本の童話を聞かされて育ちました。5歳の時に初めて描いた絵は浦島太郎であり、祖母・光子の影響も色濃く受けています。第二次世界大戦後、ウィーンに移住し、美術工芸学校やウィーン美術アカデミーで学びました。ウィーン幻想派の巨匠たちと交流し、その作風を継承しています。

日本との関わり

2002年からは日本に拠点を移し、日本人女性と生活を共にしました。幼少期から培われた日本への関心は深く、作品にはジャポニスムの影響が見られます。錦鯉や着物姿の女性などをモチーフにした作品も多く、日本文化への愛情が伝わってきます。

1958年のブリュッセル万国博覧会で初めて蕎麦を食べたというエピソードや、1976年に奨学金を得て初めて日本を訪れた経験も、彼の日本への関心を深めるきっかけとなりました。2004年には、パレスホテルでEU拡大記念の個展を開催し、リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギーと鹿島守之助の軌跡も紹介されました。

東日本大震災と作品

2011年の東日本大震災後には、被災地への想いを込めて7枚のスケッチを描き、「ガレキから芽吹く希望の若葉と昇龍」という作品を復興祈念行事に提供しました。ドラゴンをモチーフにした作品も多く、彼の内なるエネルギーや希望が表現されています。

評価と受賞

ミヒャエル・クーデンホーフ＝カレルギーは、数々の賞を受賞しており、2012年にはオーストリア大統領から「教授」の称号を授与されました。鳩山由紀夫も伝達式に参加し、彼の業績を称えました。作品はヨーロッパハウスの「クーデンホーフ＝カレルギーの間」にも飾られています。

クーデンホーフ＝カレルギー家とウィーン美術アカデミー

彼が卒業したウィーン美術アカデミーは、ハプスブルク君主国の宮廷画家ペーター・シュトゥーデルが開設した個人学校が起源です。また、伯父リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギーと対立していたアドルフ・ヒトラーが2度受験に失敗したことでも知られています。

伯父リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギーの影響

リヒャルトの青年期の肖像画や、EU関連の作品も手掛けており、伯父の思想や活動に深く影響を受けていたことが伺えます。また、祖母・光子の肖像画も描いており、家族への愛情も感じられます。

死去

2018年12月26日、神奈川県茅ヶ崎市にて81歳で逝去しました。彼の作品は、今後も多くの人々に感動と影響を与え続けることでしょう。

著書

『Österreichs Städte』 Lueger出版、1986年
『ドナウの流れる街ウィーン』 講談社出版サービスセンター、1994年
* 『Michael Coudenhove-Kalergi』 Edition Strahalm、2001年

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