ミホル・マーティン

ミホル・マーティン：アイルランドを率いる政治家の軌跡

ミホル・マーティン（Micheál Martin）は、1960年生まれのアイルランドの政治家であり、現在は首相（第15代）を務めています。彼は、共和党（Fianna Fáil）に所属する国会議員（コーク南中部選出）であり、同党の党首（第8代）でもあります。長年にわたり、アイルランド政界において重要な役割を果たしてきたマーティンの経歴を詳しく見ていきましょう。

概要

マーティンは、政界入りするまでに多様な経験を積んでいます。ユニバーシティ・カレッジ・コークで学び、学士号と政治史の修士号を取得。その後、教育高等学位を取得し、歴史教師として教鞭を執りました。しかし、1985年にコーク市議会議員に当選したことをきっかけに、政治家としての道を歩み始めます。

国会議員としては、数々の委員会の委員を務め、1992年にはコーク市長に就任。その後、文部科学大臣、保健児童大臣、企業通商雇用大臣、外務大臣などの要職を歴任しました。特に保健児童大臣時代には、アイルランドの職場での全面禁煙導入を主導し、世界的な注目を集めました。

2011年には共和党の党首に選出されましたが、同年の総選挙では党を歴史的な大敗に導きました。しかし、その後、党勢を立て直し、2020年の総選挙では共和党を最大政党に押し上げ、首相の座に就きました。

主要な業績

マーティンは、数々の閣僚職において重要な政策を推進してきました。

文部科学大臣時代：教育への支出を増やし、初等教育のカリキュラム見直しや特別支援員の導入など、教育政策を推進しました。
保健児童大臣時代：アイルランドのすべての職場での喫煙を禁止し、保健サービス委員会（HSE）を設立しました。アイルランドは職場での全面禁煙を導入した最初の国となりました。
企業通商雇用大臣時代：物議を醸していた1987年の原価以下の食料品の販売を禁止する食料品令を廃止しました。
外務大臣時代：初めてラテンアメリカを訪問し、アイルランドの大臣として初めてキューバを公式訪問。ガザ地区を訪問し、封鎖政策を批判しました。

首相として

2020年6月、マーティンは統一アイルランド党、緑の党との連立政権を率いて首相に就任しました。首相としては、新型コロナウイルス感染症への対応や、経済の回復、北アイルランド問題など、数々の課題に取り組んでいます。

2022年12月には、連立合意に基づき首相の座を統一アイルランド党のレオ・バラッカーに譲りましたが、自身は副首相兼外務・防衛大臣として引き続き政権を支えています。

人物像

マーティンは、政治家としてだけでなく、家族を大切にする人物としても知られています。妻のメアリー・オシアとの間に5人の子どもがいますが、2人の子どもを亡くしています。末娘のレアナは心臓病を患い、11年前には息子のルアイリが乳児期に亡くなりました。

まとめ

ミホル・マーティンは、アイルランドの政治において長年にわたり重要な役割を果たしてきた政治家です。数々の閣僚職を歴任し、重要な政策を推進。共和党の党首として、党勢の立て直しに尽力し、首相としてアイルランドを率いています。彼の今後の活躍から目が離せません。

もう一度検索