ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!

エアロスミス、新たな次元への挑戦『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』

アメリカを代表するロックバンド、エアロスミスが2012年にリリースした15枚目のスタジオアルバムが『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』（Music from Another Dimension!）です。前作『ホンキン・オン・ボーボゥ』から約8年、オリジナルアルバムとしては『ジャスト・プッシュ・プレイ』から実に11年ぶりとなる待望の作品となりました。

アルバムの特徴

本作は、エアロスミス史上最多となる15曲を収録。特筆すべきは、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリー以外のメンバー、ジョーイ・クレイマー（『パーマネント・ヴァケーション』以来）、トム・ハミルトンとブラッド・ウィットフォード（『パンプ』以来）が久々に楽曲制作に関わっている点です。これにより、バンドの新たな創造性が引き出され、多様な音楽性が展開されています。

アルバムは通常盤とデラックス・エディションの2種類で発売されました。デラックス・エディションは、ボーナストラックを収録したDISC 2と、ライブ映像などを収録したDVDのDISC 3を含む豪華3枚組。さらに、ギタリストのスラッシュが描いたポスターも封入されており、ファンにとっては見逃せない内容となっています。日本盤デラックス・エディションでは、DISC 1にカバー曲2曲が追加収録され、世界最多の収録曲数を誇ります。

収録曲「キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」では、カントリー歌手のキャリー・アンダーウッドとのデュエットが実現。これはエアロスミスにとって初の試みであり、新たなファン層の獲得にも繋がりました。

また、メンバーのトム・ハミルトンが「今回のアルバムは僕らの最後の作品になるかもしれないんだ」と語ったことも話題を呼びました。

収録曲について

DISC 1には、バラエティ豊かな15曲が収録されています。

「ラヴ XXX」：ジョー・ペリーとスティーヴン・タイラーによるロックナンバー。
「オー・イェー」：ジョー・ペリーが作曲したグルーヴィーな一曲。
「ビューティフル」：初めてスティーヴンとジョー以外のメンバーが制作に関わった楽曲。
「テル・ミー」：トム・ハミルトンが単独で制作した楽曲。
「アウト・ゴー・ザ・ライツ」：ジョー・ペリーとスティーヴン・タイラーによるパワフルなナンバー。
「レジェンダリー・チャイルド」：過去のセッションで制作され、お蔵入りとなっていた楽曲を再構築。
「ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ～愛と呼べたもの」：ライブツアーでサポートを務めるラス・アーウィンが制作に関与。
「ストリート・ジーザス」：ブラッド・ウィットフォードのギターリフが元になった楽曲。
「キャント・ストップ・ラヴィン・ユー」：キャリー・アンダーウッドとのデュエット曲。
「ラヴァー・アロット」：メンバー全員が制作に関わり、ジョーイの息子やブラッドのギターテクニシャンも参加。
「ウィー・オール・フォール・ダウン」：ダイアン・ウォーレンによる楽曲提供。
「フリーダム・ファイター」：ジョー・ペリーが作曲したロックナンバー。
「クローサー」：ジョーイ・クレイマーが制作に関わった楽曲。
「サムシング」：ジョー・ペリーによる楽曲。
「アナザー・ラスト・グッドバイ」：デズモンド・チャイルドが参加したバラード。

日本盤デラックス・エディションには、ボーナストラックとしてテンプテーションズのカバー「シェイキー・グラウンド」とモーズ・アリソンのカバー「アイム・ノット・トーキン」が収録されています。

DISC 2には、デラックス・エディションのみに収録された3曲が収録されています。トム・ハミルトン初のソロボーカル曲「アップ・オン・ザ・マウンテン」、ジョー・ペリーが歌う「オアシス・イン・ザ・ナイト」、スティーヴン・タイラーとマーティ・フレデリクセンが共作した「サニー・サイド・オブ・ラヴ」など、メンバーの新たな魅力が発見できる内容です。

DISC 3には、ライブ映像やインタビューが収録されています。特に、ジョニー・デップがゲスト参加した「トレイン・ケプト・ア・ローリン」は必見です。

参加ミュージシャン

スティーヴン・タイラー (ボーカル、ギター、オルガン、ピアノ、ドラムス、マンドリン、ハーモニカ)
ジョー・ペリー (ギター、リードボーカル、バッキングボーカル)
ブラッド・ウィットフォード (ギター)
トム・ハミルトン (ベース、リードボーカル、バッキングボーカル、ギター、シンセサイザー)
ジョーイ・クレイマー (ドラムス、パーカッション)

また、多数のゲストミュージシャンも参加しています。

『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』は、エアロスミスの新たな音楽的挑戦と、バンドとしての成熟を感じさせる作品です。彼らのファンはもちろん、ロック音楽ファンにとっても聴き逃せない一枚と言えるでしょう。

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